[BlueSky: 878] Re:834 Re816 コミック版「ナウシカ」


[From] GENNGOROU@aol.com [Date] Sat, 11 Sep 1999 02:03:02 EDT


葛貫さんへ。青空MLの皆様へ。

             青空mlの色物お許しを@ゲンゴロウです。

内容は:人の不安、恐怖、宗教、自然などです。
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葛貫さん(834):
> コミック版、全般を通して、ナウシカが発していたメッセージが、
> 「こわくない、こわくない、ほら、こわくない。」であったように
> 私には感じられました。

風の谷のナウシカ、もののけ姫などは、息子に誘われて、
映画、ビデオ、テレビで、何回も見てしまいましたが、
ナウシカはなぜか、ほとんど覚えていません。(なんでだろう・・)
「もののけ姫」の内容には、自然をあそこまで表現できたことへの
驚きがありました。あれは、時が経つほどに大変な作品だと評価
されるものになるように思いました。(世界的に)
先日、このMLのメールにあった、「アルジャーノンに花束を」も
息子に「これ、読め!」と短編のほうを読まされました。。が、
「チャーリーを知り、ああ、人間は脳の存在なんだなあ」とつく
づく、独りよがりの感じを持ちました。

> 他の登場人物は、潜在的な恐怖や、満たされることのない飢餓感を
> 持っており、そのために争わずにはいられないところがあったよう
> に思われました。
> 私には、今の社会は不安や恐怖をエネルギー
> 源にして動いているように感じられます。

私も、社会を作っている最小単位である人間の脳には、根本に「不安」
「恐怖」があり、それを所有した脳によって人は動かされ、あらゆる
集団が動いているように感じます。
ヒトラーに導かれたあのドイツ国民が動いたのも、この不安を持つ脳が、
強い存在(ヒトラー)を求め、人々を動かしていたのだと思います。
ヒトラーの演説の理屈、理論の内容でなく、ただ、ただ、その勇姿に
人々の「不安」におびえる脳はすがったのではないかと考えています。
つまり、人々が大きく動く場合、人を動かすのは人の理性的な思考では
なく、人々の脳のなかにある潜在的な不安ではないかと私も思います。

> 起こるかもしれない(起こらない可能性もある)ことに対する恐怖感や、
> 今現在は多少不自由をしても、「将来のため」といって、抱え込み、貯え
> ようとすること、いくら貯えても、これで十分だ(十分とはいえなくても、
> こんなものだ)と思えない飢餓感は、生残るためにヒトが持っている本能
> 的な情動なのでしょうか。

この飢餓感を私は人間の「飽くなき欲望」と感じています。
未来を予測する能力が常に「危険」を探しだし、「事前」に対処しよう
とする意識を発生させていると思います。
私は、この人間の能力を「危険事前回避能力」と呼んでいますが、
過剰防衛の元はこれではないかと感じています。
人間の脳は人が「危険事前回避思考」をしないと、苦しみとして感じる
仕組みがあるようです。「不安」「恐怖」は、人が「危険回避思考」を
しないときに出す警戒信号だと思っています。
人は、処理できない思考は何度も何度も繰り返します。
「不安」の正体は、おそらくそれで、脳の中をグルグル回る帰結しない
思考で、脳を疲れさせるから、脳がその疲労を「不安」と感じるもの
ではないかと思っています。
また、そのグルグルの回転が速いのが「恐怖」ではないかと。
ということから、
不安と恐怖は、脳の中の思考速度の違いでしかないなどとも考えています。

> それとも、ミーム支配のものなのでしょうか。

すみません。まだ、いまいち、ミームが私には分からないんです。
(どなたか、教えてください。また、利己的な遺伝子のことも
 図書館にないんです。。)
知らないことをいいことに、私はいつも勝手なことを考えるのですが、、
人間に起きていることは、なにもかも記憶による「いたずら」だと
思っています。
意識。自己存在。時間(未来・過去・今)。価値観。鏡。所有欲。
予測。などなど。。人間に関係する人間独自の思考?生態?の
ほとんどが記憶の変形で説明がつくように思っています。

> 何らかの規制によって緩和できるものなのでしょうか。

私として、出来ないだろうなあと、感じています。

昔のことですが、権力や規制ではこの世を救えないと考えた哲学者が
「哲学という考えるバス」を降り、考えることをやめ自分の考えた
結果を実践したのが宗教の始まりではないかと思います。
哲学バスを降りたのが、思考することの限界で、「悟り」という
ものであったのではないでしょうか。。
つまりそれが、キリスト、モハメッド、仏陀であったような・・・
彼らは、人の不安、恐怖が人を動かしているので、それを解決すれば
人間を地獄から救えると考え、布教を始めたように思います。
「怖くない、怖くない」という方法や、「神が悪いようにはしない」
とか、、、「怖い」と感じたら、教典を読みなさいとか、
いろいろな間接的な方法で人間の恐怖を感じる脳をごまかす方法を
編み出したように思えてなりません。
また、あの例のノストラダムスの大予言もそれだったと。。。。
そう、考えると、なんか、昔の人は偉かったんだなあ・・と
感動してしまいます。

よくは知りませんが、
キリスト教はキリストが人の罪を身代わりにすることで、
イスラム教は祈りを捧げることで災いが防げるとして、
仏教は、、、なんだろう???
とにかく、すべての宗教は、不安や恐怖から人を逃す為に起きたと
考えられます。つまり、安心させるという餌で巧みに洗脳するしか
人の不安から生まれる行動を制御できなかったのではないでしょうか。

結果が大切ですから方法が嘘でも良かったわけですから、もしかすると、
教祖は最高のカリスマ性を持った「役者」を周囲の人が作ったのかも
しれません。人間の偉大な知恵を感じます。
このことは、人間の集団性物的な側面を感じさせます。
***余談***
あのオウムも人々の思いが結集して作り上げられたように感じます。
 信者は自ら進んで洗脳を求めていたのではないかと。。で、あの教
 祖はその人たちの意に簡単に動いてしまう人間であったのではない
 かと。とすると、あの教祖を十字架につるすと、彼が神の存在にま
 で高められる可能性もあります。

ところで、産業革命以来、世界が狭くなったことや、科学が宗教の
基盤を否定し始めたために、今、世界はこのような状況になってい
る可能性があるように思えます。
神も仏もない有様に・・・
つまり、哲学者も、ガリレオも、ニュートンも、ある意味では、知ら
ないでその宗教世界を壊して、再び人間に不安を戻してしまったことに
なるような気がします。(良い悪いは、別にして)
人間は、だまされていたときが幸せだったようで、だまされなくなって
しまった原因は、科学の進歩なのかもしれません。

> 規制しても(規制するほど)、密かに隠れて貯えたくなってしまう
> ものなのでしょうか。
> もし、ヒトの行動パターンを変えるとしたら、教育、賞罰等により、ミー
> ム支配の部分を使って行くしかないのだと思われます。

ふむ。。。むずかしいですねえ・・・

> 「もののけ姫」に宮崎さんが込めたメッセー
> ジは「生きろ!」であったように記憶します。

言われてみると。。。
私としては、さらに、みんな(いろいろな生き物同士)で必死に
生きろで、その「生きる」時に、大切なのが、「勝手に生きても
良いが度を超すな」で、ある部分では助け合い、互いの関係を大
切に、で、敵も味方もない。全生物の「本当の敵」は秩序にまで
影響を与える行為だったような。

すべての生き物が生かされている自然の大切さを認識しない者が
自然の一番大切なもの「秩序」までに手を出したとき、自然は苦
しみもがいた。。そして、腐りだした自然はただの有機物として
生物に有毒物を発っし、有毒ガスもまき始めた。。
首を持って逃げたのが人間の愚かな加速で、それがどんどん自然
崩壊の加速度を生み、全生物は危機一髪の時、自然の懐の中に逃
げ込んだときに、自然(生物自身)は助かったようでした。

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妄想連発状態@GENNGOORU



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