[BlueSky: 861] Re:856 DDT使用禁止に?


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Fri, 10 Sep 1999 16:43:50 +0900

こんにちは、葛貫です。

喜多さん:
>先日,テレビ(ニュースではなかった)を見ていたら,マラリア撲滅
>(3種の,まだら蚊の駆除)に,DNA操作によって,「卵が出来ない蚊」
>や,「マラリアウイルス(ですか)のない遺伝,媒介」によって「撲滅」
>が進んでいる。或いは「放射線によって撲滅」と言うのを知りました。


私も、この番組見ました。いろいろな方法があるのですね。
今の時点だと、マラリアは、日本にいる限りあまり縁のない病気のように
思えますが、温暖化が進むと、マラリアの宿主であるハマダラカが日本
でも繁殖できるようになり、対岸の火事ではなくなってしまいます。
気温の変化と伝染病気の発生域の変化についてシミュレーションした文献
で、同じように、黄熱病、デング熱等、熱帯地方の病気が、今の温帯域に
広がってくる可能性が示唆されていました。

マラリアが、良く発生する地域では、鎌状赤血球を持った人が多い等、
ヒトも、時間をかけ、犠牲を払って、自然の流れの中でそれなりに適応し
てきたようです。このような自然に起こってきた遺伝子の変化ではなく、
部分的な知識でデザインしたものを大量にばらまくことは、たとえ万全の
注意を払ったとしても、思わぬ弊害をもたらす可能性があることを忘れて
はならないのだと思います。
リンゴを食べてしまう鳥を駆除したら、翌年、虫にリンゴが食べられてしま
った。良く調べてみたら、駆除した鳥は、その虫の天敵だった、ということ
もあり得るわけで・・・・・。

>恐ろしい病原菌が無くならないのは「自然界の恐ろしさ」である様にも

>思われます。

天敵となるような大型獣を駆逐し、難病を克服し、病原菌にたいする対処法
を発見し、臓器も培養・移植し、老化のメカニズムを解明して老化も克服する。
もし、それが実現できたら、どうなると思われますか?
天敵を持たないということは、自己制御する術を身につけない限り、限られた
資源を巡って、同じ種内で、何らかの理由をつけて自分(達)の存続の優位性
を正当化し、延々と争わざるを得なくなる。
絶対的な天敵に食われた場合は諦めがつくけれど、戦争、内乱等は、どのよう
に調停されたとしても、対立した者の間に、いつ再燃するかわからない根深い
恨みのようなものが継代的に残りそうな気がします。
自己制御できるようにならなければ、悲惨ですね。

Y.Kuzunuki <kuzuny@geocities.co.jp>


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