[BlueSky: 701] Re:692 昆虫の標本


[From] HIROKI Masato [Date] Wed, 1 Sep 1999 12:49:34 +0000

日野さま、みなさま

広木@ICUです。

> 広木さん、個人攻撃ではないのであしからず。
> 引用させてもらったので、割りくちゃうかもしれませんが許してください。

私は厚顔ですので(^^;)、怒ったりしないから大丈夫ですよ

> At 19:22 99.8.31 +0000, HIROKI Masatoさん wrote:
> >> #自分の子供には昆虫を観察するための昆虫採取はさせても、
> >> #標本を作るための昆虫採取はさせないようにしよう。
> >観察したあとは、どうするんですか?
>
> リリースすればいい話では?

観察はどこでするのかなぁと。

> ただそれだけのことだと思うのですが。
> それとも捕獲したものは持ち帰るというのが絶対なのかな?
> 僕の考えは、フィールドで網を振って捕獲しただけでも昆虫採集と思ってます。

これは言葉の定義の問題ですね。主たる問題ではありません。

> あと昆虫採集については、どんな理由を付けようとも
> 環境破壊の一要素になっていることはお忘れないように。
> たしかにリゾート等の開発とは規模が違いすぎますが、
> ローインパクトだろうと破壊は破壊。それは認めるべきですね。

「破壊」って、なんなのでしょうねぇ。

> 過剰繁殖の自然界での制裁は、「強い生き物に食べられる」こと
> だと思います。

制裁なんですか?

> 僕は昆虫分野の人の意見でどうしても理解できないのが
> ここのポイントで、「過剰繁殖の種類は採集しても大丈夫」という
> 考え方です。極論好きな僕はどうしても「だったら飽和している人口も
> 同じ手段で淘汰することを全世界的に合法化すれば?」と思ってしまう。
> (また暴言爆発!)

日野さんの指摘は的をはずしていると思います。私のコメントは、「昆虫採集が昆虫
の絶滅を引き起こす」という意見には根拠が薄い、という点を述べたにすぎません。
そのあとの、「ではとってもいいのか」ということに関しては、「それは文化の問題
である」ことになります。

> なんか「採集したい(もしくは、する為に)為に、一生懸命言い訳を述べている」
> ようにしか聞こえないのです。罪悪感ってありますか?
> たぶんあると思うんですけど(一応期待してます)

ないです。御期待に添えず、申し訳ありません。ちなみに、前にも言いましたけど、
私は昆虫採集の趣味はないですよ。集めるのはもっぱらCDだけ。スキー板も集めたい
んですけど、これはおかねがなくって。

> からだが小さいながらも
> 「殺している」ことには間違いないので、その辺事実を先に述べてから
> ”研究”や”過剰繁殖”という理由をのべる方が真実に近いと思うんです。
> 要するに「採集したいから採集している。でもこれだけの条件を満たしている
> から採集しているんだ。そしてそれが役に立つように頑張っているんだ」という感
じ。

すいません、おっしゃりたいことが今一つ分かりにくいので、もう少し噛み砕いて御
説明願えませんか。

> 最後に、人工飼育化での繁殖後の二次野生化については、たしかに
> 頑張って研究されている方多いですね。ただこれも、もっと自然条件化で
> くらしていける環境保全を企てることの方が重要だと思います。
> それを見逃して、人工飼育に力をそそぐのはどうかと思う次第。

「繁殖地の人々が、養殖、販売を通じて得た収入をその地の保全に振り向けることが
可能である」というのが、さきの私のメールの種子です。いや、主旨です。御了解下
さい。特にこれは、東南アジア地域などの大形昆虫(これらは高値で取り引きされる)
には有効でなかろうか、とおもっています。

> 法律でも「種の保存法」というのがありますが、僕はあんまり好きではない。
> その地域の「自然・歴史・伝統・現在の人のくらし」がユニットで保存
> されなければ意味が無い。アサギマダラ(蝶の種類)を残すには、
> キジョラン(植物)も残すことが必要。「キジョラン切って、アサギマダラ
> 残そう」は無理。

御意。これは私の前のメールの論旨に通じるものです。

> でも日本のいままでの教育って種単位だったから、
> どうしてもこうなる。

種単位の教育がなされているのですか?学生時代(いまも?)ナマケモノだった私は
聞いていなかったのかな?それすらないとおもいますよ。博物学すら既に葬り去られ
ているのでは。

&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
広木眞達(HIROKI, Masato)
国際基督教大学生物学教室加藤研究室
〒181-8585 三鷹市大沢3-10-2
TEL 0422-33-3269 (加藤研究室)
email address:hiroki@icu.ac.jp.
&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&


▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。