[BlueSky: 700] Re:683 「森と環境」教育での教材例 Re427 子供の遊び


[From] ymizuno@yo.rim.or.jp (水野義之 Y.Mizuno) [Date] Wed, 1 Sep 1999 02:08:25 +0900

後藤@帯畜大さん、水野@京都女子大学、です。

ご多忙中をコメントをいただき、感謝いたします。コメントを付させていただきます。

At 16:58 1999.08.31 +0900, 後藤 健 wrote:
>> まず、私は、こどもたちにも、「後藤さんが高度だとおっしゃる教育」をして
>> ほしい、(なぜなら、それが環境問題の本質であるし、子供でもわかるハズ)
>> と思っているわけでした。

>これに対し、水野さんの御主張には根拠が述べられている、と僕が思う
>ことはありませんでした。確かに、「大人が伝えたい」事柄が教材にな
>ることは当然のように思いますし、「(一部の)こどもが理解できるは
>ず」のかたちにもできることは理解できます。いってみると、「可能な
>教材」には違いない、という主張であるとも受け取れます。

まずは、そのレベルの主張しか、していないと思いますので、
そういうご理解がいただければ、まずは十分であります。

あとは、理念の問題と、方法論の問題、時期の問題などです。

>
>しかし、なぜ敢えて思春期前に行うことが「必要なのか」という肝腎な
>点についての説明は、水野さんからはしていただいていない、と僕は思っ
>ています。

それは、環境問題こそ、それこそマスメディアなどを中心として
大量の情報が、すでに(子供たちのイメージに)はいっているからです。
それを、やはり、きちんと、教えるべきではないか、というのが、主張の
ポイントだと思います。

>「高度な内容」を教育するにあたってのリスクを僕は反対論
>の根拠としたわけですが、

何を教えるべきか、ということは、リスクではなく、何を教えるべきか、
ということと、それをどのように教えるべきか、ということで議論すべき
であって、リスクがないように工夫することが、教育者の役割であると
思いますので、リスクを、さほど、重要なこととは思っておりません。
ということで、擦れ違いになりそうですが、...。

>水野さんがそのメリットや不可欠性について
>いろいろ説明してくださらないと、「高度な内容」が「必要不可欠な教
>材」として合理的に認定されることは不可能であろう、と僕は思うので
>す。

教育は、メリットがあるからする、というよりも、社会を生きていく上で
必要なことを、幅広い常識にしてほしい(それを当然の教養として多くの人
に身に付けてほしい)ことを教えればいいだけだと思います。

「必要不可欠な教材」については、私の長年の科学者経験(そして社会
とのかかわりを多少とも経験した、という体験)から、直観的に
大事だと思っていること、を、初等教育においても、教えられると
思うので、それを、その段階での教育内容としても、教えていっては
どうでしょうか、という主張(意見表明)です。

つまり、社会というものと自然というものを、どのように捉えるのか、
ということを、個別的にではなく、それこそ、総合的に、とらえる
ことが必要であることは、説明の必要がないと思います。

それをやるのに、環境問題は、適切なテーマだと思います。

その教育レベルを、もうちょっと上げるべきではないのか、という
ようなことを、私はいいたい、ということだと思います。

それが出来るとする判断の根拠には、私の少ない体験からですが(直観的に)、
子供たちにはそれらへの理解力があり、(無意識でしょうが)環境問題への
関心が極めて高い、とする点の認識があり(それは多分に、あおられた結果
ではありましょうが、いずれにしても)、それを「正しく」認識してほしい、
とする私の期待があり、またそれが出来るだろうとする、私の彼等への信頼
があります。

どんな教育内容も、それを教えるべきだとすることが、「合理的に認定される
ことは不可能であろう」と、思います(教えなくてもいいとする反論は、
いくらでも出来るでしょうから)。

でも、それを知っていてほしい、ということは、文化の問題として、あるいは
何を社会常識としてほしいのか、という議論として、ありうるわけです。
そういうことは、広く理解はされる、と思っております。

理解できない、というのならば、それは、その内容が、社会常識になっていない、
ということでしょう。

初等教育では、学校では環境問題の基礎を教えればいいのでしょうが、
その基礎自体が、実は、大局的、ふかん的、グローバルな見方、バランス感覚
のようなものと、定量性への理解、というあたりを抜きには、語れない、と
思っております。そして、それはすでに十分に社会常識になっていると思います。

その例として、森と環境、という私製の教材?をあげさせていただきました。

でも、いろいろな教え方があっていいですし、後藤さんとは違うアプローチ
でも、何も問題はありません。



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Y.MIZUNO 水野 義之 (大阪府 茨木市)
http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/~ymizuno/
==> Kyoto Women's Univ. http://www.kyoto-wu.ac.jp/
Tel/fax: 075-531-7104 mizuno@kyoto-wu.ac.jp


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