[BlueSky:06861] 『東京原発』は確かに傑作でした


[From] Minato Nakazawa [Date] Thu, 28 Jul 2011 06:38:02 +0900

和尚さん,皆さん:

中澤です。おはようございます。30分ほど前まで滝のように雨が
屋根を叩いていましたが,漸く止んでくれて一安心です。
# 今日は剪定枝葉が資源ごみとして回収される日で,一週間分の
# 草刈りの成果を出して来なければならないので。

さて本題です。

> > 「東京原発」はぜひとも日本の多くの方に見ていただきたい思いを今も
> > 強く持っております。中澤さんはもうご覧になりましたか?
> 毎日片道2時間の通勤中にWillcom03でみることにしました。方法は
> http://phi.med.gunma-u.ac.jp/memo2/20110725.html
> に書きました。視聴中でも着電があるとボタン1つで中断でき,電話を切る
> と自動的に中断したところから再生されるのが利点です。
『東京原発』は昨夜の帰り道にWillcom03で見ましたが,期待を超えた傑作でした。

エネルギーにかかわる様々な問題に真正面から取り組んだ前半(都庁会議室での
議論が,さまざまな角度からの検討になっていて,かつ原発推進にとっての
「不都合な真実」が次々に提示されることによって議論の方向が変わっていき
つつも,岸部一徳演じる経済重視の役人が最後まで意見を変えないところなど
リアリティを感じました。この議論のシーンだけでも,原発や放射性物質,放射能
についての基礎知識を伝え,間違った情報が人の判断を歪めることを知らせる点で
素晴らしい効果があると思いました)と,とても不気味でサスペンス感あふれる後半
(リアリティはその分減ってしまいましたが,でもまったくの絵空事とは
言いきれませんし,out of controlの恐怖という意味では,後半の焦点となる,
とあるモノも,あれに目を付けた少年も,切れてしまった運転手も,それ自体
原発のメタファと考えることもできると思いました),どちらも見ごたえが
ありました。

和尚さんの心にささったセリフは,ああいう文脈ならば納得です。
役所広司演じる天馬都知事は,飄々とした態度やヒトを食った発言が
どこか小泉元首相を思わせるのですが,土壇場では逃げない,諦めない
姿勢は段違いで,こういう政治家がいたらいいなあと思いました。

それにしても,ラストシーンは背筋が寒くなりました。
たしかに,今こそテレビ放映して多くの人に見てほしい作品ですね。
視聴率はとれそうですが……。
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Minato NAKAZAWA, Ph.D., Associate Professor,
Dept. Public Health, Grad. School Med., Gunma Univ.
Phone/FAX +81-27-220-8011
[web] http://phi.med.gunma-u.ac.jp/
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