[BlueSky:06811] Re: 休耕農地の耕作再開と生物多様性の保全


[From] jce00700@nifty.ne.jp [Date] Thu, 24 Jun 2010 12:58:36 +0900

須賀さん、青空MLの皆さん

いつも変わらぬ環境への視線と問題提起に敬服を禁じえません。

耕作放棄地が希少生物の生存のかけがえのないサンクチュアリ化している
という話には、現代農業の抱える問題の一端を如実に物語っている感がい
たします。

そこでは山林と農耕地、その間を取り持ちながら双方の多様性を維持して
きた里山という自然環境利用の知恵の素晴らしさを思い起こさせてくれる
気がいたします。

私が今関わっている活動として、農耕地の生物多様性を維持する事が却っ
て農業の持続的生産に寄与するのではという考え方に基づく取り組みです。

http://www.npotambo.jp/2010/pdf/ramfesta-21.pdf
http://www.jgoose.jp/tanbo/

などをご覧ください。
長年にわたって、田んぼの生き物を見続けてきた篤農家が行き着いた考え
のようで、それが消費者の共感を呼び、今、佐渡のトキの故郷づくりや、
兵庫のコウノトリと農業の共存の活動に波及しようとしています。

私も、地上生物の多様性と、土壌微生物の多様性とのコラボで参画させて
いただいています。10月の名古屋会議では始めて世界に向けてアピール
します。

須賀さんの周りの貴重な耕作放棄地の事例は、しっかり調査して、その価値
を無くさない形での耕作再開のし方を生態学者と生産者相互に知恵を出し
あう形を模索してはいかがでしょうか。その時、賢明な消費者の方々に一枚
加わってもらうことが成功の秘訣かもしれません。先行する宮城、新潟、
兵庫の事例がそれを教えてくれていると思います。

行政を動かすのはその後だと思います。行政、財政ありきで進むと必ず隘路
に迷う事になる気がいたします。生産者と消費者のスクラムが最強です。

COP10名古屋の会場でお会いできると良いですね。では

横山


----- Original Message -----
>Date: Wed, 23 Jun 2010 00:13:16 +0900
>From: "SUKA Takeshi" <sayasuka_380878@kce.biglobe.ne.jp>
>Subject: [BlueSky:06809] 休耕農地の耕作再開と生物多様性の保全
>To: <post@bluesky-ml.org>
>
>
>青空MLのみなさん
>
>この春、休耕農地の耕作が再開され、希少種の生育地となっていたその環境が壊滅的
>な打撃を受けた。最近、わたしのすむ長野県内の知人からそういう話をききました。
>はっきりとはわからないが、最近すすめられている戸別所得補償制度と関係があるの
>ではないか、知人はそう推察しています。わたしも県内のかなり離れた別の場所で、
>過去十数年耕作されない状態で野草地として維持されていた場所が、最近半分くらい
>畑に戻されているのをみました。
>
>耕作されることもある、という土地利用自体が悪いわけでは必ずしもなくて、利用さ
>れるときがあることを見越して休ませながら適度に管理された状態で維持されてきた
>ことが、これらの場所では生物の生息環境としていい状態をつくりだしてきたのだと
>思います。
>
>ヨーロッパでは、集約的な農業が生物多様性をそこなうのに対し、伝統的でより粗放
>な農業のやりかたには生物多様性にプラスの側面があるとして、農業の粗放化を奨励
>し、それに対して補償をおこなう制度があることをきいたことがあります。そうした
>方向で考えて、日本でも実現可能なやりかたをあみだしていくことはできないでしょ
>うか。
>
>それには、生産者や納税者としての市民の理解とともに、行政では農政と環境、財政
>などの部局が連携することが必要なのではないかと思います。現在、策定の取り組み
>がすすんでいる生物多様性地域戦略のなかで、そうした行動計画がつくられるように
>ならないかなとも考えます。生物多様性国家戦略では、このことはどのようにあつか
>われているのでしたっけ? ヨーロッパの制度を勉強して、日本の制度にどのように
>生かしていくかを考えることも必要ですね。
>
>唐突にひとりごとのような投稿をして恐れ入りますが、いいお知恵がありましたらお
>聞かせください。よろしくお願いいたします。
>
>                        須賀 丈
>
>



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