[BlueSky:06809] 休耕農地の耕作再開と生物多様性の保全


[From] "SUKA Takeshi" [Date] Wed, 23 Jun 2010 00:13:16 +0900

青空MLのみなさん

この春、休耕農地の耕作が再開され、希少種の生育地となっていたその環境が壊滅的
な打撃を受けた。最近、わたしのすむ長野県内の知人からそういう話をききました。
はっきりとはわからないが、最近すすめられている戸別所得補償制度と関係があるの
ではないか、知人はそう推察しています。わたしも県内のかなり離れた別の場所で、
過去十数年耕作されない状態で野草地として維持されていた場所が、最近半分くらい
畑に戻されているのをみました。

耕作されることもある、という土地利用自体が悪いわけでは必ずしもなくて、利用さ
れるときがあることを見越して休ませながら適度に管理された状態で維持されてきた
ことが、これらの場所では生物の生息環境としていい状態をつくりだしてきたのだと
思います。

ヨーロッパでは、集約的な農業が生物多様性をそこなうのに対し、伝統的でより粗放
な農業のやりかたには生物多様性にプラスの側面があるとして、農業の粗放化を奨励
し、それに対して補償をおこなう制度があることをきいたことがあります。そうした
方向で考えて、日本でも実現可能なやりかたをあみだしていくことはできないでしょ
うか。

それには、生産者や納税者としての市民の理解とともに、行政では農政と環境、財政
などの部局が連携することが必要なのではないかと思います。現在、策定の取り組み
がすすんでいる生物多様性地域戦略のなかで、そうした行動計画がつくられるように
ならないかなとも考えます。生物多様性国家戦略では、このことはどのようにあつか
われているのでしたっけ? ヨーロッパの制度を勉強して、日本の制度にどのように
生かしていくかを考えることも必要ですね。

唐突にひとりごとのような投稿をして恐れ入りますが、いいお知恵がありましたらお
聞かせください。よろしくお願いいたします。

                        須賀 丈



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