須賀さま、みなさま
> 広木さんは、税金と公共料金を例に「共有地の悲劇」について説明されました。こ
れ
> は尺度が「お金」ですから、「損得」がわかりやすいです(だからこそ、これを例
に
> とられたのでしょう)。でも、環境問題をふくむ実際の人間社会のできごとでは、
こ
> のように「損得」がかならずしもはっきりしない場合が多いのではないでしょうか。
「はっきりしない」、これが一番厄介な点です。
> たとえば、一見「友愛」とか「ヒューマニズム」にのっとったようにみえる行動を
> とった方が(もちろん本心からそう思ってやってもいいのですが)、(ことばは悪
い
> ですが)「利己的」な観点からみても結局自分にも他人にも得になる、というよう
な
> 場合が、人間関係では結構多いのではないでしょうか。実際、そうした活動は楽し
い
> し、快感をともないます。このようなお答えは、広木さんの問題提起のポイントを
> はずしたことになるのでしょうか?
そのお考えは、間違ってはいません。ただ、「常に成り立つ」かといえば、そうでは
ないでしょう。すなわち、普遍的な真実ではないのです。
極端な話をしましょう。1週間水だけで生きていて、見ず知らずの人がおにぎりを食
べている所に出会った。さあ、あなたならどうするか。
つまるところ、「友愛」という行動は、対象が限定されるのでは?ですから私には、
人対人の相互作用の対象が「はっきりしない」時に、自ら譲るという行動が「普遍的」
にあらわれるとは思えないのです。
&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
広木眞達(HIROKI, Masato)
国際基督教大学生物学教室加藤研究室
〒181-8585 三鷹市大沢3-10-2
TEL 0422-33-3269 (加藤研究室)
email address:hiroki@icu.ac.jp.
&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&&
(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。