[BlueSky: 675] Re:665 :共有地の悲劇そのいち


[From] HIROKI Masato [Date] Tue, 31 Aug 1999 11:23:38 +0000

皆様

こんにちは、広木@ICUです。長いメールは嫌いなので、順々にお答えしていきたい
と思います。

まず、訂正を。

> 1:税金は安く、公共料金も安い方がいい
> 2:税金は高く、公共料金は高い方がいい
> 3:税金は安く、公共料金は高い方がいい
> 4:税金も公共料金も高い方がいい

皆さんお気付きかと思いますが、2と4は同じでしたね、これじゃ(^^;
2:税金は高く、公共料金は安い方がいい
が、正解です。

葛貫さまいわく:
> 昨年の夏に、発生した0-157による食中毒を例にあげさせて下さい。
> 食中毒は、勿論、発生するより、発生しないにこしたことはありません。
> でも、その後の世の中(というより抗菌グッズを販売しようとする者?)
> には、「細菌は悪」、極端な言い方をすれば、「皆、きれいに洗って、
> 消毒しちゃいましょうね。」という対応があったように感じられました。
> 害があるかもしれない(ないかもしれない)ものまで、取り除いてしまおう
> とする行動に、ヒトの先制攻撃や過剰防衛があるように、感じられました。
> ウイルスには効果のない抗生物質を、風邪の時に、多用してきたことも、
> この路線にあるように感じられます。耐性菌がでてきてしまって、従来、
> 有効であった病状に対して、抗生物質が、効かなくなりつつあります。

抗菌グッズが環境に対して大きな影響が有るとは私には思えません。あんなもの効く
んですか?まあ、資源の浪費ではありますが。

風邪に対する抗生物質処方は、薬価差益の問題と、医師、患者双方の無知によるもの
でしょう。過去にウィルスに関する正確な知識が医者にあったのか。細菌性の感染症
と混同されていたのでは?私は医療史に詳しくはないので正確な所は分かりませんが。

> ヒトは、自分にとって不都合なもの、いらないと思われるものを排除し、
> できるだけ単純な系をつくろうとしてきたのだと思います。
> でも、現実は複雑に入り組んでおり、よかれと思って成してきた単純化が、
> 弊害をもたらし始めているのではないでしょうか。
> ヒューマニズムとしての自制というより、自分達の安全を守るために、
> 部分的な知識で、安易に不都合と思えるものを排除して単純な系を
> 組み立てることは避けた方がよいと思いました。

リスク回避の理屈ですね。短期的なリスクと長期的なリスクのどちらが重要か。残念
ながら、人は放っておいたら長期的なリスクに対して適切な対応を取るとは私には思
えません。

> 先日、読んだ本に、「歴史の進歩とは、各人が、自分の責任を問われる必要の
> ないことから負わされる苦痛が減ること。」という言葉がありました。

??なんかよくわかんないです。歴史って、単なる時間の流れですよね。それって進
歩するのでしょうか?

> 気圏・水圏を通して地球全体がつながっているのですから、厳密には個人持ち
> の自然環境は存在しないのではないでしょうか。
> 「与えられた資源を利用する自由」を行使するためには、それなりの責任が伴う
> わけで、自然環境が共有物であるという意識と、情けは人(他の生物)のためな
> らずという意識を持ってもらわないと、責任を問われる謂れのない人にまで
> 迷惑がかかってしまいます。
> (気付かなかった君達が馬鹿なのよ、と言われちゃうのかな)

「情けは人のためならず」、含蓄のあるお言葉です。ただし、その見返りにも、短期
的な利益と長期的な利益の両方があることに注意しなければいけません。短期的な利
益に注目すれば、「正直者が馬鹿を見る」のです。あと、「責任を取る」とは、どう
いうことでしょう?

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広木眞達(HIROKI, Masato)
国際基督教大学生物学教室加藤研究室
〒181-8585 三鷹市大沢3-10-2
TEL 0422-33-3269 (加藤研究室)
email address:hiroki@icu.ac.jp.
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