[BlueSky:06631] 田舎を世界遺産に (Re: 土木と環境保全に


[From] Kimio Otsuka [Date] Wed, 9 Aug 2006 19:29:34 +0900

酒井さん、皆さん

大塚と申します

忙しいというより、作業効率が上がらなくて困っています。酒井さんの
[BlueSky:06630] にも感銘を受けたのですが、反応が遅くなって申しわけござい
ません。

ゆっくりとした議論も歓迎という管理人(の1名)としての立場表明でもあるとい
うことでお許し下さい。

At Fri, 28 Jul 2006 16:08:46 +0900, 酒井千富 <chitomi@sokusetu.com>
wrote:
>
>話は変わりますが,先日,岩手県の一関市本寺地区という
>ところに行ってきました.ここは,中尊寺の史跡と絡めて,
>文化景観保全地区として世界遺産に登録されるところです
>(たぶん,2年後).
>ここ本寺地区は,その昔,骨寺とよばれたところで,現在
>においても荘園時代の田園風景が保全されている場所です.
>その中心である骨寺自体は未だ見つかっていませんが,田
>んぼや水路の風景が世界遺産として登録されるのは,日本
>で初めてのようです.

 大変興味深いお話です。一関に行ったことはないのですが、もう少し北側の花
巻〜遠野の間(鱒沢, 宮守)に調査に通ったことがあります。遠目の雰囲気は一
関と似ていると思います。
 当時の印象を一言で表せば「日本の正しい田舎」です。
 私の「田舎」の記憶は、父の実家がある阿蘇外輪山の北側の盆地(近年脚光を
浴びている黒川温泉の近く)が基本ですが、杉の人工林が多い父の田舎よりも、
ブナをはじめとした広葉樹が多い岩手の里山の方が、緑が明るく他の生物の気配
も多く感じて親しみが持てました。

 私は調査中に立ち止まったりしゃがみ込んだりすることが多いのですが、そう
するといろいろな生き物の気配がわかります。
 ある時は、カサカサと落ち葉が鳴る音が近づいてきたので、眼を向けると野ウ
サギの子供が歩いているところでした。かなり近づくまで私には気づかずにもそ
もそと餌でも探すふうに少しずつ進んでいました。「そんなに大きな音を立てて
歩いて大丈夫なの?」と声をかけたくなる不用意さでした。
 成長するにつれて怖い思いをする中で音を立てなくなるのかな、と思っていま
したが、子を持ってその動きのぎこちなさを見るようになった最近は、ウサギも
ある程度成長しないと静かに歩くために必要な微妙な身体コントロールができな
いのかもしれないなどと思っています。
 
 また、初夏のある日にぎりめしを食べて一息ついていると、天気がいいのにぽ
つぽつと雨のような音が聞こえてきたことがあります。雨よりも桁違いに小さい
音。雨粒が小さくなったらそもそも音がしないはずなのに。
 実はブナに着いたイモムシ(毛虫かも)の糞が落ちて落ち葉に当たる音でした。
下から見る限り木々の葉が食い荒らされているようには見えなかったのですが、
それでも無数の虫の生命が支えられているということがわかって、なんだかうれ
しかったことをおぼえています。
 
 とりとめがなくなってしまいましたが、そのような風景が世界遺産として登録
されるということはとてもすばらしい事だと思います。これをいかにして地域の
生き残りにつなげるか、また情報がありましたら教えてください。
 
 土木・公共事業についても近日中に書きたいと思います。

--
大塚公雄
東京医科歯科大学



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