[BlueSky:06535] 環境教育と認 知的柔軟性理 論


[From] jce00700@nifty.ne.jp [Date] Tue, 27 Sep 2005 13:22:26 +0900

アドレス変更の関係で再投稿です。重複配信の方にはお詫びします。

大変ご無沙汰です。和尚と申します。

先日、ふとした縁から「推薦本と人の紹介」記事を書いてくれと頼まれまして、
寄稿したサイトに同時掲載された記事からのご紹介です。

このサイト「BEAT」はベネッセコーポレーションと東大情報学環が共同で運営
するサイトで、紹介文には「工学的技術、及び、教育的技術をベースに先端教
育技術を実現しようとしています。」と有ります。主に新しい学校教育システ
ムを研究するサイトです。URLは以下、
http://www.beatiii.jp/

その中の特集記事に、「5分でわかる学習理論講座」と言うのがあり、第1回
めが、『複雑で相互依存的な問題について、深い理解を達成する教材を作るに
は?〜「認知的柔軟性理論」』でした。URLは以下、
http://www.beatiii.jp/beating/012.html

タイトルだけでも非常に興味深かったので覚えていたのですが、昨今の世相を
見るに付け、皆さんにご紹介したくなりました。詳しくは原文を読んで貰いた
いのですが(本当に5分で読めます)、以下に抜粋をご紹介します。

・・・・・ここから引用・・・・・・・
「認知的柔軟性理論(Cognitive Flexibility Theory)」
社会の急速な変化の中で、現在わたしたちが直面している問題、たとえば環境
問題、歴史問題、文化摩擦問題、そして教育問題などは、様々な側面が相互に
絡み合った複雑な構造を持っています。このような領域では、にわとりと卵の
ように、一部だけ先に学ぼうとしてもまだ学んでいない別の概念を知らないと
理解できないというジレンマにおちいりがちです。
(中略)
ポイントを要約すると次のようになります。
・知識を多様な形で提示すること。いろいろな視点から様々な例を見せること。
・一つの抽象的な概念を複数の違ったケースによって説明すること。
・まず領域の複雑さを提示すること。部分の前に全体を提示し、学習者に複雑
な関係を学ぶことが必要であることを理解させること。
・知識のネットワーク状の相互関係を理解することに重点を置くこと。
・孤立した知識ではなく、変化可能な関係性を学ぶこと。
・知識構築を推奨すること。学習者が自分自身の知識構造を作り出すことが、
順番で記憶していく学習との対比で重要である。
(後略)
・・・・・・ここまで引用・・・・・・

昨今、複雑な問題を単純化したイメージで捉えることが流行っており、上の事と
は全く逆のことをしているようです。これは元々商業メディアや広告と言った
業界が複雑な世論を一方向に強引に誘導していくために開発され発展してきた
技術であり、現在の世相はそれにドップリと浸かり、受け入れてしまった様相を
呈していますね。

件の業界人の方々も常々スポンサー様に「○○ちゃん、もっと分かり易くしてよ
!」と言われているそうです。「分かりやすい」もしかしたら怖いことかも知れ
ません。

環境問題は結局、「単純性」の心地よさに惑わされることなく、複雑な物事の
本質を看破することの出来る人作り「教育」に尽きると考えていただけに、これ
からは認知的柔軟性理論を役立ててみたいと考えるようになりました。その上で、
「知識のネットワーク状の相互関係」や「変化可能な関係性」を心底理解するた
めに不可欠な「実体験」や「体験知」を如何にに多くの人々と共有するか、相矛
盾するかも知れませんが、体験知の共有に、この場の様なネットワークシステム
がどの様に貢献できるかを考えていきたいです。

では



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