[BlueSky:06495] 生き物との出会い Re:


[From] SUKA Takeshi [Date] Mon, 01 Aug 2005 16:19:20 +0900

葛貫さん、みなさん

   須賀です。

葛貫さん:
> 今日は、子供と相模川のワンドに行ってきました。

いい日曜日を過ごされましたね。

葛貫さん:
> 八ヶ岳、いかがでしたか?
> 苔むしたふかふかの林床に、ひっそりと咲くリンネソウ、懐かしく
> 思い出しました。夏休みは、混雑するのでしょうね(^^;。

そうですね。車道からあまり歩かなくてもいいところにある
白駒池のあたりでは、たくさんの方々に会いました。しかし
北八ヶ岳の針葉樹の森は、きっとご存知のように、目立つ花も
あまり多くはないところです。その意味では、みなさん渋好み
だな、とも思いました。気になったのは(山にいくといつも
そうですが)、歩いている大部分の方が中高年の方々で、若い
ひとたちの姿がほとんどみられないことでした。

わたしが参加した観察会では、植物にくわしい先生の解説が
すばらしく、多くの参加者が存分に楽しまれたと思いますが、
こういう話をほかの若い人たちに聴かせられないのは本当に
もったいないなとも感じました。

オトギリソウという丈の低い黄色いかわいらしい花をつける
植物には、薬草としての効果があり、昔は貴重なので生えている
場所を秘密にしていたものだが、あるときある人の弟がその
秘密を他人にばらしたので、弟を切った、つまり「弟切り」で、
オトギリソウという名がついたのだそうです(実際にその事件
があったというより、それぐらい薬効が重宝されていたという
ことなのかも知れませんが)。観察会を終えてわたしが帰ろう
としていたとき、そこにちょうど来たばかりの老夫婦が車から
降りてすぐ、ハクサンフウロやキバナノヤマオダマキに混じって
咲いているその花をみつけ、「あ、これ薬草になる花じゃない?
 ……オトギリソウよ」とおっしゃっていました。

こういう知識や、そういう発見を楽しむ余裕のある気持ちを、
どのくらい次の世代に受け渡していくことができるでしょうか。

しちめんどうでお説教くさい話としてよりも、この世界の
美しさを感じ、そこに生まれてきたことをよろこぶいろいろ
な楽しみのひとつとして、そういうものとの出会いがあれば
いいのでしょうけれどね。

その面でも、葛貫さんのご家族の一日は、きっと素敵なもの
だったのでしょうね。

先日ご案内した環境保全研究所の公開には、週末の2日間で、
飯綱庁舎だけで約160人の方にご来場いただいたそうです。
ご来場くださったみなさま、ありがとうございました。


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須賀 丈(SUKA Takeshi)
〒381-0075 長野市北郷2054-120
長野県環境保全研究所(飯綱庁舎)
自然環境チーム 動植物生態ユニット
Tel: (026)239-1031 Fax: (026)239-2929
E-mail: suka-takeshi@pref.nagano.jp


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