[BlueSky:06490] Re: 外来種問題


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Thu, 28 Jul 2005 17:45:13 +0900

山口さん、お久しぶりです。

> 今学期は二クラス合計230名の受講生と格闘を続けていて、
> 今朝も午前中、約4時間続けて前学期最後の講義をやりました。

1クラス100名以上というと、一般教養で文系の学生さんも一緒ですか?
4時間続けてって、ハードですね。声、枯れてしまいませんか(^^;?

> 来週が期末試験です。別の専門クラスと大学院のクラスもあり、
> まるで世紀末のような学期末を迎えています。手ごたえのある
> 受講生が多数いるので、そこそこ気合も入っています。

打てば響く、教える方も活性化されるような生徒さんがいると、
張り合いがあっていいですね。

> 外来種との付き合い方に関して学生たちに考えてもらう
> 宿題を課しましたが、条件反射的に「駆除」についてあれ
> これ、技術的な問題を考える、といっても別件からの類推
> でしかありませんが、という傾向が一般的に強かったのは
> さすがで、この国の国民性を改めて見せつけられました。
>
> 除去が事実上不可能になっている有害な外来種にどの
> ように向き合うかは難題ですが、問題の実態をより深く
> 知るための努力を大切にして、短絡的に目先の対策に
> 走ろうとするようなことがない精神状態が、これからの
> 社会の標準になってくれることを願っています。

そういえば、今日は「土用の丑」ですね。

異種のウナギ 流通増加へ
http://www3.nhk.or.jp/news/2005/07/28/d20050727000147.html
**********
・・・・前略
従来のウナギは「ジャポニカ種」と呼ばれますが、今年は養殖用の
稚魚の漁獲が記録的に少なく、日本や中国など主な産地をあわせて
も去年より4割少ない60トン足らずしか捕獲できませんでした。
このため国内産、輸入物ともに品不足が始まっており、28日の「
土用のうし」向けの主要産地の卸売価格も、例年より1割から2割
ほど高くなっています。輸入業者によりますと「ジャポニカ種」の
不足を補うため中国では、今年去年の2.5倍の量の「アンギラ種」
が養殖されているということで、流通量は今後大幅に増える見通し
です。日本鰻(うなぎ)輸入組合の森山喬司理事長は「来年には輸
入ウナギの半分以上はアンギラ種になるとみられる。アンギラ種の
方が脂が多くこってりしているが、味は各人の好みで、一概にどち
らがいいとは言えない」と話しています。
************

ウナギ稚魚不漁 台風が影響か
http://www3.nhk.or.jp/news/2005/07/28/d20050728000017.html
************
・・・・前略
去年多発した台風の影響で海の環境が変化して産卵するウ
ナギが混乱をきたし、例年より南よりの海域で産卵したため、稚魚
が北赤道海流に乗れず日本沿岸に到達できなかったとみています。
研究調査を行った東京大学海洋研究所の木村伸吾助教授は「今年の
ウナギの稚魚の不漁も異常気象の影響と考えている。異常気象の原
因となる自然環境の破壊が続けば季節の風物詩も食べられなくなる
可能性もでてくるのではないか」と話しています。
************

というニュースが流れていました。

外来種を駆除しようという動きがある一方、種苗が入手しやすく、
養殖しやすく(それほど水質環境を気にしなくても養殖できる)、
短期間で大きく成長し、高値で売れそうな新規養殖対象種を他国や
他地方の探し出し、選抜育種する研究も各地で行われているようで
す。閉鎖的な養殖池で自然水域に逸散させずに養殖できれば、肯と
するのでしょうか。

以前、このMLで話題になった上海ガニは、特定外来生物に指定され
たようですね。

「先月施行された外来種被害防止法では、生態系に悪影響を及ぼし
たり、人に病気を感染させたりするおそれのある動植物の輸入など
を原則として禁止しています
・・・中略・・・
中国料理の食材として人気がある上海ガニは、ここ数年、生きたま
までの輸入量が増えているほか、国内で養殖も行われています。上
海ガニは生命力が強く、養殖場などから逃げ出し繁殖した場合、日
本の在来種のモクズガニなどを絶滅させるおそれがあるうえ、寄生
虫を介して人に肺の病気を感染させるおそれもあると言うことです。
このため環境省は、上海ガニを規制する方針を固めたもので、早け
れば来年の春から、環境大臣の許可がないと、生きた上海ガニを輸
入したり国内で養殖したりすることができなくなります。」

と7月14日にNHKのニュースで報道されていました。

食糧生産や生産者の収入の安定等も含めて、外来種とどう付き合ってい
こうとしているのか、まだ指針が立てられないみたいですね。

> とにあれ後の世代につなげて行くしかありません。

そこで暮らしていく生き物(ヒトの後の世代も含まれる)の今後も
考え合わせ、どのような土地・水域の利用の仕方を肯とするのか、
デザインしていかなければならない時期がきているんでしょうね。
自然は、ヒトに都合よく動いてくれないということを肝に銘じつつ(^^;。


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