[BlueSky:06428] Re: ハローワーク


[From] "Y. Kuzunuki" [Date] Mon, 21 Mar 2005 19:23:23 +0900

葛貫です。

余語さん、こんにちは。
> これ以上授業料の公私格差が広がる事が、所得格差を広げて
> 固定化していく一つの要因になってしまうのでは?と感じてこの運動を
> やっています。

余語さんのところは、きっとエンゲル係数が少ない御家庭の成績優
秀な生徒さんが集まってくる学校なんですね(^^;。

不況等の影響で、経営困難に陥る私立高校もあるようです。公立高
校の統廃合が進む傍ら、特色を打ち出せない、特色がうけない私立
の学校の淘汰も進むのでしょうね。

高校定員 県教委 公立1319人増員へ 私立 「信義違反」と提訴
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/kikaku/011/147.htm

生徒の青田買いが進みそうですね。「青田刈り」でよかったかしら
と思って辞書をひいたら、「早苗買い」、「種もみ買い」なんてこ
とばもでてきて、びっくり(^^;。


和尚さん、こんにちは。
> 養老先生は又言いました。「それを昔から希望と呼んだのである。希望は自分
> のなかにある。」と・・・


2003年12月に「13歳のハローワーク」を出版された村上龍さんは、
2000年7月に「希望の国のエクソダス」という小説を出されている
んですね。この小説の最後に

********

北海道の開拓の歴史を展示した資料館が野幌に開館した。それを一
緒に見に行ったときに、ポンちゃんが中村君にある写真を示した。
昭和初期の網走刑務所の囚人の写真だった。囚人たちは野外で作業
をしていた。粗末な服を着てクワや鋤を持ち、巨大な切り株の横で
カメラをじっと見ていた。生まれてから今までこういう目の人に会
ったことがない、とポンちゃんが中村君に言ったらしい。「なんか
ギラギラしている。欲望が強そうな目だと思わない?この人たちに
は何かはっきりしたものが必要で、つまり、肉の入ったスープとか、
毛糸のセーターとか、生きるために直接必要なものだけれど、それ
が手に入るんだったら、簡単に人を殺すようなニュアンスの目つき
だ。そういった欲望っていうのは、生きる力になるんじゃないだろ
うか。」(p.417)

・・・中略・・・

「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、
希望だけがない」ポンちゃんはそう言ったのだった。この快適で人
工的な町に希望はあるのだろうか、と考えた。もし希望があるとし
ても、実現に向けてドライブしていく動力となるのは欲望だろう。
彼らに欲望が希薄なことはポンちゃん自身が認めている。
・・・後略・・・(p.419)
**********

という、文がありました。

http://sv2.humeco.m.u-tokyo.ac.jp/mllogs/bluesky/2406.html
に、はじめて読んだ2000年当時に気になったところを、もう少し
引用してあります。

今、読み返すと、ここのところ世を賑わせているライブドア騒動を、
必要な情報を集めた目端のきく中学生が、それぞれの心の深みには
ふれず実務的なネットワークを通して、静かに、スマートにこなし
てしまう、そんな小説であったように思えてきます。

今の日本は、何だかんだいっても、「生きるために直接必要な、何
かはっきりとしたもの」へのギラギラとした欲望を表出する必要が
ない時期に、まだいるのかもしれない。でも、カワウが害鳥ではな
く「食べ物」に見える時がやってくるかもしれませんね。

「食糧確保で中国切実 全人代 耕地不足、劣化 輸入増へ」
http://www.sankei.co.jp/news/050307/morning/07int002.htm


> ニヒルに成らず、学者バカにも
> ならず、泥んこでかっこ悪い生き方をこれからも心がけたいです。

北海道に移られて5年目でしたっけ?
「それが私の使命ですから」と、仰しゃる和尚さんやHさん達は、
「可能性の列挙でいきたいと思います」という基本姿勢、泥んこの
時も、くたびれている時もかっこいいというか、では、自分も、と
つながる人を集める力があるんだなと、小暮さんが送って下さった
写真をみて、改めて思いました。
今年の分のAggriGateのデジタルアーカイブ、拝見したいです。
玄米ハム丼で英気を養い、明日からもがんばって下さい(^^)/~。



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