[BlueSky:06411] Re: カワウ対策


[From] "Y. Kuzunuki" [Date] Tue, 15 Mar 2005 19:09:10 +0900

和尚さん,お久しぶりです。

Cyfar's diary で,RetailTechJAPAN2005「AggriGate Project」
の様子,拝見していました。盛況だったようですね(^^)。
時間のやりくりがつかず,会場にうかがうことができなくて残念で
した。ワークショップやセミナーの様子,ネット中継でみられるよ
うになるといいのに,と思いました。


> ラジコンヘリの爆音でそもそも抱卵放棄しちゃうんじゃないかな・・・
> そうして分散してあちこちにカワウのコロニーが出来る?

> それどころじゃないって、どれどころなんでしょうか?
> 糞公害のことですか?

チリ硝石ってもとは海鳥の糞でしたっけ?
カワウの糞も大量にとれれば,使い道があるかも(^^;。


内水面漁業が重要視されている県で,カワウが下流域から中流域へ
と分布を広げ,アユやウグイ等の川魚を,漁業者が漁業被害が発生
していると感じるくらい食べてしまっていると,問題になっている
ようです。

私が目にした平成12年度の栃木県の水産試験場の報告書では,那
珂川水系の瀬付け漁業のウグイの漁獲量はカワウが飛来しなかった
過去3年の漁獲量の17〜21%に激減してしまったそうです。

河川環境を保全したり,魚を放流したりして,資源を維持する努力
をしているヒトにとっては,川魚は「自然の恵み」ではない。
野生生物であるカワウは,そんな事情おかまいなし,あればあるだ
け食べて,繁殖してしまう。

カワウ1羽の1日当たりの捕食量は約500g,1年に万単位の金額
の食害を及ぼす。タマちゃんのような客寄せ効果がなく,遊漁者に
とって目ざわりなカワウを,漁協等は,手をこまねいてみているわ
けにはいかないのだろうな,と思ったのでした。


今,ちょっと調べてみたら,日本野鳥の会のサイトに
「カワウ〜カワウとの共存をめざして〜」というページがありました。
 http://www.wbsj.org/topics/kawau/
シンポジウムも開かれているんですね。

各県のカワウの食害調査の結果もこのサイトにアップされていまし
た。
http://www.wbsj.org/topics/kawau/bunken/index.html

(これによると,栃木県に生息するカワウの年間の捕食量は約127t,
捕食金額は約2億1千6百万円と推定されるそうです。)


> せめて界面活性剤(所謂洗剤)との共存環境で安全性を評価しなければ、
> どんな安全性論議も全く絵に描いた餅だと言うことです。その様な状況下で
> 環境中に積極的に洗剤を撒き散らすと言う感覚に総毛立つものを感じます。
>
> 今まで安全と言われてきた物質も洗剤共存下では猛毒になる「可能性」もある
> ことを覚えておく必要があるでしょう。界面活性剤が物質の細胞浸透力を
> 大きく変えますからね。

はい。そう思います。

今みたら,リンクがきれてしまっていたのですが,「卵にせっけん液
ふ化抑制 深刻カワウ被害、滋賀県が対策」という記事の中には,

*******
 県は2003、04年度に被害が深刻な竹生島で、卵に、液体
せっけんと2倍に薄めたせっけん液、界面活性剤の3種類を吹き付
ける実験をした。その結果、ふ化率はそれぞれ26%、33%、38%で、
いずれも使用しない場合の62%を大きく下回った。
 03年度に県が鶏卵で同様の実験をしたところ、ふ化が抑制され
たため、カワウの卵で試した。せっけん液が卵の表面を覆い、胚
(はい)やひなの呼吸を妨げたり、表面の膜をせっけん液が分解し
て、細菌などの侵入を容易にするためではないかとみられる。
*******

という一節がありました。カワウの卵にしか作用しないなんていう
便利なものじゃないだろう,と思ったのでした。


カワウは、有機塩素系化学物質による環境汚染の生物指標だそうです。
繁殖し,分布域を広げているところの水質環境は,五大湖ほど悪化
していないということになるのでしょうか(^^;。
それとも,汚染が少ない上流域に分布がひろがっているということ
もあるんでしょうか?


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