こんにちは、葛貫です。
あまり真上を見るのは辛いので夜中の1:30頃空をみたら、肉眼では
みつけられなかったのですが、バードウォッチング用のプロミナで
ぼうっと霞んでいるような彗星の姿をみることができました。
写真も撮りたかったのですが、わが家のデジカメの最長2秒の露光
では無理でした。カシオペアやすばるは撮れたのに、ちょっと残念。
須賀さんwrote:
> わたしも、個人的にはそう思います。けれども、実際の具体的な問題
> になると、なかなかそう簡単にいかない事情もいろいろあるようです。
>
> たとえば、特定外来生物の検討にあたって公募されたパブリック・
> コメントに、セイヨウオオマルハナバチの場合、どんな意見がよせられ
> たかをみてください。
http://www.env.go.jp/nature/intro/sentei/ins_bombus01/ref04.pdf
この背景・経緯をざっとみると、
☆ 平成16年5月27日に衆議院本会議で「特定外来生物による
生態系等に係る被害の防止に関する法律案」可決され成立。
それに関係する 第159回国会 環境委員会 第14号
平成十六年五月二十五日(火曜日)の議事録
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/159/0017/15905250017014c.html
*******
○鮫島委員 約二千種程度が明治以降日本に持ち込まれてさまざ
まな使われ方をしている、中には生態系に悪影響を及ぼしている
かもしれないものがある、こういうのが判定の対象になってこれ
から検討が行われるわけです。
・・・中略・・・
防除義務あるいは駆除義務というのはだれに課せられるんでしょ
うか。
・・・中略・・・
○鮫島委員 今の御答弁で割合はっきりしたと思うんですが、つ
まり、被害の対象が農林水産業の場合は農水省が駆除の責任を負
うけれども、被害の対象が生態系だった場合は環境省の責任にな
る。
・・・中略・・・
導入して、それを管理不十分で、我々の言葉でエスケープという
んですが、ある閉鎖環境から逃がしちゃった、その逃がした人の
責任は問われない。このセイヨウオオマルハナバチもそうですが、
多分業者の指導が不徹底で、ハウスの中から出しちゃいけません
よというのが不十分で、生態系に逃げちゃった。これは、逃がし
た人は一切責任を問われないで、生態系を預かる者である環境省
だけに責任が来るというのは何となくおかしいと思いますが、環
境省はそれでいいんですか。
○小野寺政府参考人 法律がもし通って、施行された後、今委員
が御指摘のような事態が起きれば、それは原因者が負担するとい
うのが法律上決まっております。
○鮫島委員 そうすると、結果としての被害が農林水産業に及ば
なくても、原因者がだれかが特定されれば原因者が負担する。
これは、この分野はもう縦割りが錯綜する部門ですから、私は
今言ったような話が非常に難しいんじゃないかと思います。
・・・後略
*******
というくだりが問題の核心部分かな、と思いました。
☆ 特定外来生物等をどう選定するかを、専門家、環境省、農水省
の方々からなる委員会で討議をはじめた。
「特定外来生物等の選定について」
http://www.env.go.jp/nature/intro/sentei/index.html
その中の「特定外来生物等分類群専門家グループ会合」の【昆虫
類グループ会合 セイヨウオオマルハナバチ小グループ会合】で
本種の扱いが討議されている。
その第1回目の会合に須賀さんが紹介して下さった「パブリック
・コメント」が資料として提出され、それ以降、2回の会合が開
催されている。
取り敢えずの対策としては、本種が野菜を栽培しているハウスに
逸出防止ネットを張ったり、利用済み巣箱の処理をするよう、農
家に指導する、ということになっているようですね。
原因者がだれかが特定されれば原因者が、駆除義務・防除義務を
負うとなるとアバウトな態度ではいられなくなりますね。
☆ 2004/12/28に公表された「平成17年度 先端技術を活用した
農林水産研究高度化事業」のひとつに、「セイヨウオオマルハナ
バチ等の生態影響に関する研究」というのがありました。
http://narc.naro.affrc.go.jp/chousei/kouryuka/kodoka_05b.htm
*******
トマトを中心とした施設栽培における送粉昆虫として利用されて
いるセイヨウオオマルハナバチ(以下、マルハナバチという。)
は、生態系への影響について指摘され、現在、特定外来生物指定
に向けた議論が行われているが、生態系への影響については不明
な点が多いことが専門家から指摘されている。 一方、マルハナ
バチは労力の軽減、ホルモン剤の代替、減農薬等に大きな役割を
果たしており、特にトマトの施設栽培においては、無くてはなら
ない技術として農業の利用上極めて重要な位置づけとなっている。
このため、個体群の動態、DNAレベルでの交尾実態の解明等、
マルハナバチの野外への逸出が我が国固有の生態系に与える影響
をより詳細に評価するとともに、ネット展張や誘引忌避物質利用
により生態系への影響を低減させつつトマトを安定生産する技術、
在来種優良系統の開発が必要である。
********
どの外来種が、一般の人を含めて関心を集め外来種問題を取り扱う
際のたたき台になるのか、今後を占うという感じでしょうか。
> いろいろ連携して共同研究をやっています。けれども、連携とひとくち
> にいっても、その中心に立ってたくさんのひとたちをまとめていくのは
> それだけでも大仕事です。2人というのは、いくらなんでも少なすぎる
> と思います。
そうですね。
情報交換や議論の場を提供するだけではなく、それなりの合意をと
って、法的拘束力をもたせ、現実にそれを反映させていくとなると、
専門的な知識も必要だけれど、研究の場とはちがう能力が要求され
るだろうし。
自身が調査研究に携わるのではなく、山口さんが[BlueSky:06315]
で書いていらした、
> 何でも内輪でやろうとするのが日本で、やるべき仕事を明確にし、すべて
> オープンにして調査研究は公募して推進し、情報は共有しながらフィード
> バックする、
という場の管理をすることに徹するとしても2人では少ないかなぁ。
実務経験が全くない私が、ぼうっと思っても、あまり役に立たない
ですね(^^;。
そうそう、今月の岩波の科学の特集は、食の安全ですね。
まだ実物は手にしていないのですが、ヒトの食のために行われてき
た様々な働きかけ、今後の在り方について考える参考になりそうで
すね。
http://www.iwanami.co.jp/kagaku/KaMo200501.html
「コリン・タッジ著『農業は人類の原罪である―進化論の現在』」
ですって、あら、まぁ、どうしましょう(^^;。
(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。