[BlueSky: 632] 昆虫標本のこと


[From] Nagamitsu Teruyoshi [Date] Fri, 27 Aug 1999 10:02:09 +0900

これまで、1万個体以上の昆虫に針をさしてきたながみつ@札幌です。

私は、「このような虐待行為をする精神をうたがう」
という非難は粛々とうけます。
でも、そんな非難にちっともどうじませんし、
これからも標本作製・管理はつづけます。
なぜなら、私は、昆虫標本の学術的必要性を理解し、
標本管理・分類同定のさまざまな技巧に誇りをもっているからです。
(ここらへんはほかの方がくわしくのべられたのでくりかえしません)

「昆虫よりも飯がすき」な人に、
「イネの赤ん坊の衣をはぎ肌をけずって高温高圧で死滅させ、たべる、
そんな残酷なことよくできますね」
と米食文化をもたない人が非難することも可能です。
こういう非難は、日頃うたがいもなくおこなっていることを
ちがう視点からみなおすいいきっかけになります。
だからといって、米食をやめなければいけないわけではありません。
(そのくらいいわれただけでやめられるカルいヤワな文化じゃないでしょう)
「そういう見方をする人とどのように理解しあえばいいか」
をがんかえることがもとめられているわけです。

針に刺されていることが気になって
せっかくの貴重な標本をみれない人がいるかもしれません。
ケージにかわれていてかわいそうとおもってしまって、
チョウの行動を観察できない人もいるでしょう。
あるいは、たんに気持ちわるいといって
幼虫の生態をみようとしない人もいっぱいいます。
そういう人にも昆虫を理解してもらえる
「見せ方」をかんがえていきたいとおもいます。




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