[BlueSky: 608] Re:605 昆虫の標本


[From] kohnok@m1.cosmos.ne.jp (KOHNO, Katsuyuki) [Date] Thu, 26 Aug 1999 13:42:51 +0900

はじめまして,石垣島在住の河野と言います。

>>青空MLは、環境問題に関心をもつさまざまな立場のひとびとが出会い、
>>自由に語りあい、ともに学びあうためのメーリングリストです。

 という紹介があり,このメーリングリストに登録いたしましたが,自由に語りあうと
は言え,事実誤認に基づくと思われる憶測を書かれるのは,ちょっと残念なことだと思
います。

At 11:31 99.8.26 +0900, Katsumi wrote:
>私は自然の昆虫などを,自然の状態で見るのが好きだ。以前,私の大阪の知人で,「
>良い物を見せて上げる」と言って,大きな箱を抱えきれない位持って来たのがいる。
>包を解くと,何と「昆虫の標本だ」
>,私は彼の精神を疑った(笑)。先日もある昆虫学者が「昆虫の標本造り」と言って
>,子供達に,昆虫の背中に針を指すのを教えていた。私には理解できなかった。彼等
>は「昆虫が飯より好きだから,針を指した昆虫を標本にしている」らしい。私は外国
>も数か国行ったが,たまたまかも知れないが,この「背中に針を指した昆虫標本」な
>る物を見た事がない。これもテレビで見たが外国(ヨーロッパ)の博物館等では「そ
>のままの形を机の引出形式の入れ物で保存している」のを見た。あの「昆虫を針で指
>して見える様にガラス張りの箱で保存」は外国から来た物か,それとも日本で考えら
>れた物なのか。もしかしたら,私でさえ嫌悪感を感じるのだから「西欧人」はあれを
>「動物虐待」と思わないのだろうか。

・未整理の標本はともかく,まともな博物館でしっかり管理された標本は針が刺され
(場合によっては針に刺された台紙に接着剤でありつけてあります),ラベルが付けら
れています。日本における昆虫研究の技法は,明治時代に,主にドイツからはいってき
かことから始まったと記憶しています(記憶間違いであれば訂正して下さい)。あなた
がご覧になった標本は学術的なものでは無かったかも知れません(これは私の想像で
す)。

・標本の作成現場の一場面を見ただけで感情的な発言をされているようですが,その前
に,「何故昆虫の標本を作っているのか」という理由に付いて,もう少し考察していた
だきたいと思いました。

>。以後ん十年,私は出来る限り(ごきぶり,蚊,蝿などは捨ておけない)「無益な殺
>生」はしないと誓っている。喜多かつみ

・あなたにとっては虫を殺すことは「無益な殺生」かも知れませんが,虫を殺して標本
を作っておくことが世の中の役に立つこともあるのです(と私は信じます)。というよ
り,有益か無益かということに絶対的な基準を設けることは不可能でしょう(私の想像
です)。

・少なくとも,昆虫の標本を作っている人に対して,あなたの基準で批難することだけ
はやめていただきたいと思います(大いなる希望)。

・私もあなたのような考え方をする人がいることは認めますが,言われ無き非難を甘ん
じて受けようとは思いません。

河野勝行@石垣島 昆虫の標本を作る立場から


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