[BlueSky:06035] Re: 06023 Re: 雑メール 三猿と眠猫


[From] "genngorou" [Date] Tue, 10 Aug 2004 22:45:04 +0900


葛貫さん、こんばんは。
葛貫さんとお話ししていると、だんだんと、深い方向に、
私は行ってしまいます。。

ゲンゴロウ:
> > つまり、葛貫さんが「あぁ」と納得してしまえること、とは、
> > 瞼(まぶた)を閉じても、見えるということですよね〜。
> > ほんと、そうですよね。またまた、なるほどぉ、、です。

葛貫さん:
> ルドンは、「私の独創性はすべて、目に見えるものの論理を可能な
> 限り目に見えないものに役立たせることによって、ありそうもない
> 存在たちを、本当らしさの法則に従って、人間的に生きさせること
> にある。」という言葉を残しているそうです。
> 瞼を閉じた時に見えるものを、本当らしく、人間的に生きているよ
> うに描きたかった、ということでしょうか。
>
> ゲンゴロウさんの投稿をきっかけとして、この歳になって改めて
> ルドンの絵を見直したのですが、彼が晩年、死の2年前に描いた
> 「The cyclops」http://www.odilonredon.net/cyclops.html
> という「もののけ姫」に出てきたダイダラボッチを連想してしまう
> ような絵にとても惹かれました。若い頃は見過ごしていたのにね。

耽美とは、こういう絵のようなことを指して言うのでしょうか。
お子さまである私には、変な絵に見えてしまう。。。
しかし、これ見ていて、「人間というものの本質はこれでは
ないのか!」などということを考えてしまいました。
昨日は、長崎に48年前に原爆が落とされた日。もしも、
原爆の怖さを知りたくても、本当の爆心地は跡形もなく蒸発
あるいは、吹き飛んだので、写真にも残っていない。また、
写真には、蒸発した人の、それまでの人生、周囲の人間関
係(家族など)も写っていない。さらに放射能によるさらなる
悲惨さも写っていない。そういう目に見えないものを見る目
を持たなければ、実は本当の原爆の恐ろしさは分からない。
実は、人間の事実は、耽美の世界を見る目と同じ目を持た
ないと見えないのかもしれない。
ろころで、「美」にはいろいろあるので、恐怖という美もあるか
もしれず、さらには、ややこしいものは蒸発させたいという美
もある。とすると、原爆も耽美の産物である可能性もある、、
、、など、、いろいろなことを考えてしまいました。。

まったく、何もかもが、見えにくい。。人はそれを確かに見て
いて、それこそが人の現実のようです。
いつか、これ、まとめて「虫なり」にしてみたいです。

> cyclopsは、ギリシャ神話に登場する大地の女神ガイアと天空の神
> ウラヌスを両親とする一族で、腕力に秀で、優秀な建物や武具を作
> ることを得意としていたのに、醜いという理由から、ヘカトンケイ
> ル族と共に、ウラヌスによって地下に閉じ込められてしまったそう
> です。後に、ゼウスによって開放されたそうです。
> 海のニンフに惹かれた一つ目の巨人キュクロプスの一人ポリュぺモ
> スの目は、彼が若い頃に描いていた目より、暖かく柔らかい眼差し
> を持っているようで、何か、安心しました。

目は心の窓で、この絵の目の前に広がる世界が、実は、
巨人の内面。そして、その絵の風景を描いたたのは作者
ですから、巨人こそが作者であって、巨人のこちら側には
作者がいる。絵が鏡のごとく作者を写している。で、その
鏡には作者の心の内まで写されている。そんな様に思え
ます。
更に、その巨人と作者が見ている世界を、この絵を見てい
る者(鑑賞者)も見ている。とすれば、その内面の風景を
「暖かく柔らかいまなざし」で見ているならば、”作者”、
”一つ目巨人”、”巨人の内なる世界”そして”鑑賞者まなざ
し”が、一致していることになる、のでしょうか。
と、こう私なりのことを考えると、私も不思議。。

               すみません、相変わらずで。。。
                      ゲンゴロウ。。。



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