みなさん
須賀です。
巌さん
> シンポで印象に残ったのは、中澤さんのお話で、問題にしているリスクは「病気や死
> 亡」だけではなく、「安心が失われること」もまたリスクなのだということでした。
> 「BSEについての日米の議論の食い違いの原因の一つはここにあると思う。」という
> 説明で腑に落ちました。
関連情報をご紹介します。
岩波書店の月刊誌『科学』
http://www.iwanami.co.jp/kagaku/
の2002年10月号で、
「環境・健康とリスク―何が課題か」
と題された特集が組まれています。
この特集部分の目次はこのようになっています。
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[巻頭言] リスクと科学者の役割 鈴木継美
[総論]
リスク解析がめざすもの 中西準子
[リスク解析の実際]
化学物質と健康リスク評価と不確実性 蒲生昌志
野生生物とBSEにおけるリスク管理 松田裕之
環境の総合管理にリスク分析をどう生かすのか? 石川雅紀
リスク便益分析と倫理 岡敏弘
社会はリスクをどう捉えるか 神里達博
[批判的な視点]
討論: リスク論は社会のなかでどのように使われているのか
金森修・入来篤史・可知直毅・鳥海光弘・和達三樹
リスクと社会的リンク 鬼頭秀一
リスク管理の環境政策への批判 松崎早苗
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松田裕之さんは、上の文章のなかで
“リスク論と予防原則は、しばしば相反する概念であるかのように
扱われる。しかし、少なくとも自然保護を巡る議論においては、
両者は並べて重んじられている。”
として
“私は、この両者を統合的にとらえなければ、妥当な環境政策は
成り立たないと考えている”
と主張しておられます。
「予防原則」とは、わたしの理解によれば
ある予測についての科学的根拠が不十分だからといって、
その予測が現実のものとなったときに起こりうる悪影響を
回避したり軽減したりするための対策をとることを遅らせる
べきではない、
といった考え方のことでしょうか。
ご参考になりましたらさいわいです。
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須賀 丈(すかたけし)
長野県自然保護研究所
電話: (026)239-1031
Fax: (026)239-2929
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