[BlueSky: 5760] Re:5759 不安


[From] "Y.kuzunuki" [Date] Tue, 03 Feb 2004 12:25:37 +0900

葛貫です。

さがわさんwrote:
> 「食に対する不安」というものの本質が『食を他者に委ねている』
> ことに対する漠然とした不安であって、その不安をたまたま目の前に
> あった特定の食品や農家に貼り付けているだけの、非常に不合理なもの
> ですから、きちんと言語化するのは難しいですし、対応策といっても
> もともとが“他者に対する不安”ですから“自分が生産者になる”以外
> の対応策は非常に難しいでしょう


> 生産者になったとしても、「自分の作ったものであっても安全性を完全
> には証明できない」という“生産者の不安”に直面して戸惑うことに
> なるのですから、何とも悩ましいところです


はい。仰しゃる通りだと思います。

家庭菜園で作物をつくった実体験を持たない人もいるわけで、作物
の生育や収穫の過程にどのように農家の人が、どう関わっているの
か、想像する取っ掛かりもない場合もあるんですよね。

我田引水と言われてしまうかもしれませんが、こういう取り組みも
あるということで、ご紹介させていただくのですが、

その隙間を埋めるために、横山さんが開発され、「5754」で紹介し
ていらした、農家の人達が行った作業、それに関するコメント、写
真、音声等が、リアルタイムで書き込まれ、蓄積されていく、現場
発生情報のオンサイトリアルタイム収集システム「サイファーズダ
イアリ」が一役かってくれるのではないかと思っています。

作物が育っていく過程のどのような状況のもとで、どのような必要
性があって、農家の方達が、放置するのではなく、手を加えるのか、
等々が、その年々の天候や病害虫の発生状況と共に記録されている、
それをリアルタイムで見ることができる。

そのモデルケースともいえる未来の業集団のサイト
http://www.dgc.co.jp/ffg/ には,オープン掲示板があり、ある農
作業に対して、消費者もリアルタイムで疑問を投げかけることも
できるようになっています。そして、その質問に対して農家さんは、
わかる範囲で誠実に答えて下さってきているように感じられます。

消費者や農家が、もっと詳しく知りたいと思う場合、必要な情報を
持っている専門家にアクセスできる、敷居の低いシステムをつくれ
たらな、と、私自身は望んでいます。
そのようなフィードバックには、専門家にとっても自分とは異なる
視点、検討すべき点に関する有用な情報が含まれていると思います。

仮に、そのようなシステムが整えられ、現実の姿、今、現在わかっ
ていることを、知ることができるようになったとしても、明確には
答えられないこともあるわけで、完全には不安は消えないでしょう。
医療のinformed concentと同じで、現実を受け止め、自分なりの着
地点を見つけていくことが、適切な対応であるように思われます。

[BlueSky: 5343] Re:5340 Open Your "I"s
http://sv2.humeco.m.u-tokyo.ac.jp/mllogs/bluesky/5343.html
にも書いたのですが、そういう対応の仕方を好まない人もいるだろ
うし、不安であることを楽しんでいる人もいるかもしれないので、
一括りにはできないと思うのですが、私は、そのような試みに参加
したいと思っています。

さがわさんからご覧になると、絵にかいた餅、というか、机上の空
論っぽいですか(^^;? 御意見をお聞かせ戴けると幸です。

食の安心について取り組んでいらっしゃる方がいらしたら、お話き
かせて下さい。

では


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