[BlueSky: 574] Re:570 遺伝子組み替えと農薬


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Tue, 24 Aug 1999 10:52:29 +0900

葛貫です。

小宮さん:
>作物の生産能力の向上、というメリットはあるように思えます。
>遺伝子組み替え技術は、今後予想される食料危機における食料生
>産の有力な解決策の一つになる可能性は十分あるでしょう。

今、現在、飢餓に苦しんでいる人がいる。でも、組み替え技術によって、
生産したものは、この人達の餓えを満たすことよりも、大量の残飯をだ
している先進国のために使われそうな気がします。

水産業で種苗放流を行う場合、以前は、とにかく沢山放流すれば、
それだけ回収できるんじゃないの、という放流のしかたをしていたのですが、
最近は、放流海域の、物理・化学・生物学的条件から「環境収容力」を
推定して、その場の環境を維持しつつ、放流魚に良好な成長・生残を
もたらすことのできる量を放流しようという方向に変わってきているようです。

中澤さんが【21】で、

「次善の策としては,できるだけ地元で収穫されたものを食べるべきと思います。
地域生態系の中で,そうするのが自然であるように適応してきている
はずだからです。流通量が増えることはエネルギーの無駄ですし。

一番まずいのは,日本で消費されるために,海外の農地で,そこの気候
風土にあった作物でなく,輸出用に無理をしてプランテーションが
作られたりすることだと思います。当該地域の生業の持続性が失われる
危険が高くなりそうですし(後略失礼)」
と、書いていらっしゃいましたが、
物質循環を考えると、生産・消費の空間的なサイクルは、小規模であった方が、
収支決算を合わせやすいように思われます。
どこで折り合いをつけるかというのが、とても難しい問題になると思いますが、
「ヒト」の都合で自然のサイクルを変えて行くばかりではなく、その場が持つ
環境収容力にあった分布なり暮し方をするという方向も考えてみることが
大切なのでは、と思います。

Y.Kuzunuki<kuzuny@geocities.co.jp>



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