[BlueSky: 5700] Re:5687 個人と社会


[From] "suka" [Date] Mon, 26 Jan 2004 16:29:59 +0900

さがわさん 葛貫さん みなさん
                     須賀です。

さがわさん:
> > 陸氏の[個人ー集団]パラダイムは、おそらく環境学習がおもに
> > 学校で行われることを考慮し、現場の先生達に親和的な学校的・
> > 教師的な認知枠を援用したものと思われるが、環境問題の解決に
> > 役立つ「環境学習」を目指すなら、そのようなパラダイムがどの
> > 程度妥当であろうか?という視点も織り込まないと「環境学習」が
> > 無効になってしまうと思われるのだが

なるほど、わたしの紹介の仕方だけでは、そのような疑問をお持ちになって
も当然かもしれませんね。実は、これらの文章は、かならずしも学校教育
だけをあつかったものではなく、

“「問題解決の実効性と有効性」を得るためには、個人にどのような能力が
もとめられ、社会にどのような参加と解決の仕組みがもとめられているのか、
という視点から、わが国の環境教育・環境学習の現状と課題を考えた”

というものでした。ですので、たとえば、「運動・政治」と「教育・学習」の関係
といったテーマについても(手短にですが)ふれられています。

葛貫さん:
> > 2.陸 斉. 2001. わが国の環境学習の現状と課題. 長野県自然保護研究
> >    所紀要. 4, 別冊5:5-17.
>
> この紀要を読んだこと、その抄録と感想を[BlueSky: 3600]に
> http://sv2.humeco.m.u-tokyo.ac.jp/mllogs/bluesky/3600.html
> 書いたことを思い出しました。

この抄録と感想を拝読したとき、面映さとともに、なるほど、要約するとそういう
ことになるのか、というある種の新鮮さをおぼえたのを思い出します。もちろん
いろいろなニュアンスとしてつけくわえたいことはあるのですが、それは十分に
強調しきれていなかったところでもあるのでしょうし、またニュアンスをいろいろ
つけたしはじめると「抄録」にはならなくなる、といったこともありますから、一応
こういうことなのだろうな、と思ったものでした。もっとも、この研究所の職員も
ひとりひとり分野がちがい、こまかいテーマになると考え方もいろいろですので、
わたしのようには思わない者もいるかもしれません(笑)。

葛貫さん:
> たとえ、叩き台となるカリキュラムを提供したとしても、それに固
> 執しているわけではなく、そのもとになっているパラダイムをも、
> 外側から見ることができ、現存する組織にフィードバックを返せる
> 人材を育てる「場」をつくりだし、発展させる方法を模索している
> のだと、この紀要を読んで思いました。

このような読み方をしていただけると、たいへんうれしいです。

葛貫さん:
> # 関心がある方は、長野県自然保護研究に問い合わせれば、紀要
> の閲覧方法を教えて下さると思います。

紀要のバックナンバーによっては残部がそれほど多くないものもありますが、
ご希望の方は、わたし個人宛
suka@nacri.pref.nagano.jp
に送り先をご連絡いただければ、お送りします。

全国のいくつかの大学図書館などにもお送りしていますので、(捨てられずに
開架図書として保存されていれば)そのような場所でごらんになることも
できるのではないかと思います。

 --------------------
 須賀 丈(すかたけし)
 長野県自然保護研究所
 電話: (026)239-1031
 Fax: (026)239-2929


▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。