[BlueSky: 558] Re:551 遺伝子組み替えと農薬


[From] "Y.Kuzunuki" [Date] Mon, 23 Aug 1999 18:13:05 +0900

葛貫です。

横山さん:
>私がもっと心配なのは,むしろ遺伝子への特許設定競争についてです。
>だけどこの動きには釈然としない物があります。人間が生み出したわけでも無い物に
>ましてや生命を左右する基本物資に特許を設定して儲けるという状況は異常です。

「隠しもしないけれど、敢えて言いもしない」という方法で、基本的な権利が侵略されて
ゆき、「気付かなかった、君たちが馬鹿だったのよ」といわれるなんて、嫌ですね。

>これから,年を追うごとに世界の食糧受給が大きな話題となるでしょうから,今の内に
>この点を国際的な舞台で議論し,遺伝情報の特許化を無効にするか,特許を盾に
>した国際取引への干渉を禁止する必要がある気がしています。

利権を得られる国が言い出すはずはないので、どこが、どう切り出したら、このような話が
進むのでしょう?

>もっとも,金になるから研究もどんどん進んで,生命現象に関する科学的知識の蓄積
>も長足の進展をしているのでしょうが・・・・・

研究できるポストを手に入れ、研究費を獲得しなければ、研究自体ができないのですから、
科学技術の進展方向もマネー・ゲーム、パワー・ゲームと無関係でいられないのですね。

>複雑学の立場から言うと,遺伝子のデータベースが出来るだけでは決して生命現象
>を解明できません。でもデータは有った方が絶対良いし・・・・いろいろ悩ましい・・・

子供を生むまでは、「知識を集め、組み立て、実証すること」が、とても好きでした。
でも、発生学や生化学の知識の有無に関係なく、子供はお腹の中で育つんですよね。
発生学や生化学の知識をあつめ、組み立てても、これほどシンプルなシステムで、
安全に子供を産み出すことは、今後もできないような気がします。
部分的な知識を持って、変に、ちょっかいを出すよりも、さくらももこではありませんが、
「そういうふうに、できている。」と、現存する自然のシステムを上手に利用する方策を
検討した方が良いのでは、と思います。

新しい知見が得られるということは、既知の世界を組み立てるジグソーパズルの
ピースがまた一つ見つかったということで、めでたいことなのだと思います。
ただ、今は、新しいピースを集めることに一生懸命で、それを組み立てることには、
あまり熱心でないように感じられます。
以前に他のMLで、
企業と研究者の間で、研究協力の仲立ちをする機関、
関連分野には、このような関連する研究テーマ、グループがありますよと研究者に教え
る機関、ふだん交流のない研究者をまとめあげて、今までにない分野を創発する機関、
があれば、社会全体の生産性を、劇的に上げられるのではないかと、仰しゃっていた方
がありました。
日本科学技術振興事業団の情報部で、1976年からの各分野の科学文献がデータ
ベース化されているはずです。上手に使いこなせないものでしょうか。

Y.Kuzunuki<kuzuny@geocities.co.jp>








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