[BlueSky: 5555] Re:5554 薔薇の名前


[From] "suka" [Date] Fri, 28 Nov 2003 16:37:58 +0900

葛貫さん
       須賀です。

ご返事をいただき、ありがとうございます。

わたしも、『薔薇の名前』の映画の方はだいぶ前にみました。
でも、そのくわしい内容は忘れてしまっていました。

葛貫さん:
> 映画でみた「薔薇の名前」の舞台は、ラテン語等、
> 巷で使われていない言語で書かれた本を一括管理し、役柄に応じて、
> 必要と思われる書物を読むことを許可する、という知の管理をして
> きた中世のキリスト教会。貨幣経済が発展し、土着の領主や教会と
> 農民という関係からはずれ浮遊し始めた人々によって都市がつられ、
> 俗語で新しい文化が語られるようになってきた。教会の権威が揺ら
> ぎはじめ、また、教会が蓄積してきた「知」も貨幣経済の対象とな
> る可能性が出てきた、という背景のもとでのお話だったので、

ああ、そういう舞台設定の話だったんですね(と今ごろ言う)。

葛貫さん:
> この僧院における「索引づくり」のようなことに少し関わってきて、
> 情報公開の仕方について、思いを巡らせていた時期だったので、
> 自分勝手な方向に話をとばしてしまいました。

ええ、ええ、葛貫さんならそういう方向でのご関心をもたれるだろうな、
と、前にいただいた一連のメールを拝読したとき気がついて、ちょっと
うれしい感じがしていました。

葛貫さん:
> 件の馬の話は、どこに出てくるんだろうと思っていたら、物語の導
> 入部にあったので、へっ?ここで読むのやめちゃったの?と、目が
> 点になりつつ、

だからあんまりつっこんでほしくなかったんですよ〜(笑)。

葛貫さん:
> > > 「およそ語り手という者は自分の作品の解釈を提供すべきではない。
> > > 後略
>
> ウンベルト・エーコの「覚書」のなかの一節です。
> 須賀さんは、御存知だったのでしょうか。

え? ウンベルト・エーコでしたか? 知りませんでした。

ただ、似たような趣旨の議論はいろいろなかたちでみたおぼえがあります。

葛貫さん:
> 一連の本を読むきっかけが得られたこと、須賀さんに感謝しています。

こちらこそ、おかげさまで、だんだん『薔薇の名前』をちゃんとよなないと
いけないような気がしてきました(笑)。ありがとうございました。

  須賀 丈


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