[BlueSky: 5505] Re:5502 赤いオーロラ等


[From] "suka" [Date] Fri, 31 Oct 2003 02:03:35 +0900

葛貫さん みなさん

   須賀です。

しばらくまたインドネシアに調査に行っていました。
今日帰ってきたところです。

葛貫さん:
> ずいぶん日が短くなりましたね。
> 5時すぎに外へ出たら、夕焼けの空に丹沢や富士山が黒々と
> 浮かび上がり、群青色の空に三日月と火星が輝いていました。

今朝、成田空港についたのですが、着陸するしばらくまえに
空から富士山がきれいにみえました。

葛貫さん:
> さて、先週末から太陽面上に2つの巨大な黒点が現れ、10月28日に、
> 大規模なフレア爆発が起き、昨晩は北海道でオーロラが見られた
> そうです。
>
> 今回起きたフレアの規模は、東北でオーロラが見られた1989年のも
> のを越えているそうです。もしかしたら、北の空に赤い低緯度オー
> ロラが見えるかも。

たまたま旅行しながら19世紀の博物学者アルフレッド・R.・ウォ−レス
の探検記『マレー諸島』をよんでいたら、ニューギニアの近くの
ワイギオウ島で「オーロラのようなもの」をみたという記述が
ありました。そんなことがあるのかな、と読んだときには思っていた
のですが、もしかしたら今回のような現象と関連があるのでしょうか。
こんなふうに書かれています。

「私たちがムカに到着した日の夜、私は北極のオーロラのような
ものを観察した。もちろん赤道からわずか南の地点でそんなもの
が見られるとは信じられなかった。その夜は晴天で風もなかった
のだが、北の空に散乱した光が見え、イングランドで見られる
本来のオーロラとまったく同じように、垂直方向の弱い明滅が
絶えまなく繰り返された。」
(新妻昭夫訳 ちくま学芸文庫 下巻335ページ)

日付は1860年7月4日ごろのことだと思われます。

葛貫さん:
> オーロラは無理でも、オリオン、カシオペア、アンドロメダ、白鳥
> 等の星座や昴等々、きれいに見えます(^^)。

6−7月の調査につづいて今回もスラウェシ島の僻地を
まわったのですが、スラウェシの本島から離島にむかう小さな
船に乗ったとき、日が暮れたあと夜空をぎっしりと埋めつくした
星の輝きがすばらしかったです。海も僻地へ行くとたいへん
な透明度で、雑然とした船着場でもものすごい数の魚が群れて
いるのがみえたりしました。ジャカルタ、スラバヤといった人口の
多いジャワ島の大都市の港の周辺では、別の意味でものすごい
海の色でしたが。

大学や有名な植物園のあるジャワ島、ボゴールの本屋さんを
のぞいてみたら、『キョウト・プロトコル』(京都議定書)という
タイトルの本がありました。アルファベットのつづりはインドネシア
語流で、本文もインドネシア語でした。まだそういった本をよめる
だけのインドネシア語の力がないので、どんな内容かはわかり
ませんでしたが。また、インドの有名な環境学者ヴァンダナ・
シヴァの本のインドネシア語訳もありました。別の著者の本で、
グローバリゼイションについてのインドネシア語の本もあった
ように思います。それからダーウィンの『種の起源』のインド
ネシア語訳が新刊で出たばかりのようでした。

テレビのニュースで東京モーターショーの様子が紹介されて
いるのをみました。テレビのアニメーションは日本のものが
ほとんどです。テレビコマーシャルのなかにも日本の企業の
ものがわりとよく目につきます。

南スラウェシの海岸近くではエビの養殖池らしいものをよくみま
した。村井吉敬さんの『エビと日本人』(岩波新書)や鶴見良行
さんの『辺境学ノート』(めこん)に出てくる日本の食生活との
つながりを思い出しました。

インドネシアは地理的な広がりの面でも文化的な多様性の面
でも大きな国ですが、日本などとも深いかかわりをもちながら
ダイナミックに変貌しつつある国でもあるなということをも
あらためて感じました。

帰ってきたら長野はすっかり紅葉がすすんでいました。

留守中のみなさんのご投稿をまたあらためてゆっくりよませて
いただくつもりです。楽しそうだな。

それではまた。

   須賀 丈









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