[BlueSky: 535] Re:529 企業の特許対策


[From] can32960@pop07.odn.ne.jp (yuichiro) [Date] Fri, 20 Aug 1999 23:49:04 +0900

小宮です。中澤さんこんにちは。

>(件名:[BlueSky: 523] コードンコンウェー教授のモンサント社
>での役員会でのスピーチの要旨に於て)
>Fri, 20 Aug 1999 12:02:43 +0900頃,yuichiro komiyaさん:
>> はなく、冷静に、なにがどう危険なのか、また、倫理的にも
>> どういった問題があるのかを議論する必要があるんでしょうね。
>これは,大事なことだと思います。
>感情的に騒ぐ前に,自分はどうしてそういう感情をもつのか,
>と一段掘り下げて考えてみると,議論できる形で,問題が
>見えてくると思います。

御指摘ありがとうございます。以前喜多さんに言われたように、
僕はどうもアメリカや大企業など、大きな権力を持っているもの
に対しては批判的に見てしまい、感情論に走りやすい傾向があり
ます。冷静に問題を見るように勤めたいと思います。

>アルゴリズムに特許(画像フォーマットのGIF)というのはおかしいと
>思っていましたが,塩基配列に特許というのはもっと変だと思います。
>というか,知的所有権という思想は,ぼくは嫌いです。

特許に関してですが、現在企業内においては、知的所有権は非常に
重要視されるようになってきています。日本でも昔はそれほどでも
なかったようですが、90年代前半に日本企業が相次いでアメリカと
の特許紛争の標的にされてからは(ミノルタは1億ドル以上、セガ・
エンタープライゼスは数千万ドルを、米国の特許訴訟の結果、和解
金として支払っている)、どこの企業も、特許出願に対してかなり力
をいれるようになりました。特許をとっておかないと、何も生産
できないような状況です。

恐らくどこも同じだと思うのですが、自社製品の周辺技術に関して
は、とにかくとれそうなものはどんなものでも出願しておく。他社
を攻撃するためというよりは、自社製品が特許侵害で訴えられない
ように、自社製品の防御のために特許をとるのです。そうして多く
の特許を持っていれば、自社の製品がどこかの企業の特許を侵害
するようなことが起きたとしても、その企業とクロスライセンス
(相手にある特許のライセンスを与える代わりに、自分がその特許
のライセンスを公式に受ける)を結ぶことで、紛争を避けることが
できるのです。

そういう理由があるので、こと遺伝子組み替えの技術に関しても、
企業の特許重視主義を変えるのは難しいでしょうね。やはり法で
規制しない限りは、どうにもならないと思います。

企業の特許紛争に関しては、以下のURLが参考になります。

日米特許紛争と「知的資産危機」
ダイヤモンド:データフォーカス 1992年8月15/22日掲載
http://www.nri.co.jp/nri/publications/DataFocus/DataFocus-920815_22.html

後藤弘茂のWeekly海外ニュース
米国特許訴訟の背景
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/970529/kaigai01.htm


ちなみに、僕も個人的には知的所有権は大嫌いです。

#鉄に関してのお話も大変参考になりました。僕も鉄過剰症の危険性
については本で読んだことがあります。まず、御紹介のURLを読んで
みます。




------------------------------
yuichiro komiya (小宮祐一郎)
e-mail:can32960@pop07.odn.ne.jp


▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。