MLの皆さん、はじめまして。
あきら@非植林主義者。北海道在住です。
ゲンゴロウさんの、
「いつまでも人による手入れを必要とする針葉樹人工林よりも、人手を必要としない
広葉樹天然林を!」
という主張には、私も大いに共感します。
しかしゲンゴウロウさんは1つ大きな誤解をされていると思います。
「いつまでも人による手入れを必要とする」のは「針葉樹」だからではなく、それが
「人工林」の本質だからです。
「人の手で植えた木は、いつまでも人の手入れを必要とする」
これこそが人工林の本質ですので、たとえ針葉樹の人工林を広葉樹に植え替えたとこ
ろで、管理の手間は減るどころかかえって増加してしまいます。
実際、我が国の林業の現場で大規模な広葉樹植林が成功した例を私は知りません。
広葉樹の人工林を成林させるためには、針葉樹の造林地よりもきめ細かい手入れが必
要であり、今の林業の現場にはその余力がほとんど無いからです。
「広葉樹植林は手間がかかって難しい、広葉樹を植えても割りに合わない」
これは林業に関わる者の共通認識だと思います。
したがって、ゲンゴロウさんが「広葉樹の人工林なら管理の手間いらずで天然林に近
い林が出来るはず」という前提に立つかぎり、これ以上議論を進めてもあまり意味が
ないと思います。
これまでの議論を拝見して、正直言ってあまり建設的な議論にはなっていないという
印象を私は受けました。
そこで、私から前向きな解決策を1つ提示します。
・できるだけ手間をかけずに針葉樹人工林を広葉樹林にしたい
・木材生産にはこだわらないので、樹種は何でもかまわない
この2つの条件の下であれば、我が国でも簡単に広葉樹林、というよりも「針広混交
林」を造成する方法があります。
それは「間伐遅れの針葉樹人工林を強度に間伐して放置する」ことです。
ここで大事なのは2点。
<間伐遅れの針葉樹人工林>を<強度に>間伐することです。
このことさえ実行できれば、広葉樹をわざわざ植林する必要も、その後の管理の手間
もいりません。
実に簡単に、針葉樹人工林を「天然林化」することが可能です。
なぜこれだけで、植林より簡単に針葉樹の人工林に広葉樹を導入することができるの
か、そのことを説明するためには森林生態学、特に樹木の天然更新のメカニズムに関
する知識が必要です。
面倒なので詳しい説明は省きますが、論より証拠、次のサイトで具体的な方法が紹介
されています。
未来樹2001と大内正伸のホームページ
http://tamarin.cside21.com/index.html
トップページから入って、「鋸谷式間伐法」のコーナーをご覧下さい。
このサイトをご覧いただければ、針葉樹人工林を大切にしたい人も、広葉樹の導入を
進めたい人も、結局やらなければいけないことは「間伐遅れの針葉樹人工林を強度に
間伐する」ことであることがご理解いただけるかと思います。
弱度の間伐をちまちまやっていたのでは日本の林は救えない、という共通認識で両者
の利害は一致するはずです。
ML上で、これ以上すれ違いの議論を進めても不毛なだけではないですか?
具体的な手法が提示され、既に行動されている人がいます。
私はゲンゴロウさんにお聞きしたいです。
あなたはどう行動されますか?
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