[BlueSky: 5294] Re:5289 その4 「針葉樹人工林」が悪いのではなくて、その「管理手入れ不適切」が問題


[From] "gengorou" [Date] Thu, 14 Aug 2003 01:21:01 +0900

その4@ゲンゴロウです。



只木教授:
>>>なぜなら、針葉樹の落葉も、速度は多少遅くとも分解するのは
>>>当然だからです。ある程度の時間を経た、適切に保育手入れされて
>>>きた壮齢期以上の人工林ならば、水源かん養能力も十分といえます。
>>>天竜川の金原明善の例のように、過去の水源林造成に使われたのは
>>>ほとんど針葉樹(スギ)で、それで充分目的を達してきました。

ゲンゴロウ:
>> 針葉樹も分解するのは、もちろん当然ですが、その当然のこ
>> との裏に隠れてしまいそうなことが別にあるようです。量は
>> どうなのでしょうか?落ち葉の量は!
>>
>> 落葉広葉樹の落葉の量と、針葉樹の落葉?の量とでは、その
>> 差は大きいような気がします。街の樹木の下で、それは歴然
>> とすると思いますが。。。秋の「落ち葉はき」は、それはそ
>> れは大変です。後から後から降ってきます。
>> 今度は、量が消えてしまったようですが、その量の差は、と
>> ても重要なことではないでしょうか。。
>> (この量については他の植物の専門家に聞きたいところです。。)

只木教授:
> 他の植物の専門家ではなくて申し訳ないが、当方が専門家として答えて良いでしょう
> か。  答、わが国のような緯度の所の森林では、暖温帯〜冷温帯〜亜寒帯、針葉樹
> 林、広葉樹林、常緑樹林、落葉樹林の違いはなく、落葉量は、絶乾重量で 3トン
> /ha です。ついでながら、毎年の新生葉量もおなじ絶乾重量で 3トン/haです。勿
> 論、多数の資料の平均値としてです。

信じがたいです。そのデータの出し方が信じられない。教授の
見ている針葉樹林の森林は、クリスマスツリーの様な、枝が上
から下まである針葉樹が立ち並んでいる情景を考えていません
か?
なお、
確かに、教授が言うように完璧な管理されれば、そうなるのか
もしれません。なるから、そうおっしゃっているのだと思いま
す。そうなれば、そうなるでしょう。しかし、ほんとうに、そ
こまでの管理を、つねに、日本全国の、膨大な森林に、永続的
にできるのでしょうか。その人員の数などは、どうなるのでし
ょうか。
教授のデータは、信じるべきでしょうが、まさに健全すぎるほ
どの管理がされた時のデータではないのでしょうか。
林道を造ると言っても、その林道が川になるような山です。膨
大な費用が、利用されない山に投入され続けるのではないです
か?

それはそうと、今、私が感じていることをいいます。
組立部品を間違えて、ポンコツボロボロの車を前に、教授は、
「この車、管理・修理し続ければすればそれなりに動きます」
と言いながら、修理後のデータを言う。それはピカピカ新車の
データ。なんか変では、ないでしょうか。動かないから、ずっ
と放置されてきたダメ車を前に、新車のデータを示す。変です。
私ならば、その廃車寸前の車を修理しつずけはしません。ダメ
な部品を取り替えたいと考えます。

などと考えると、ふと、思うことがあります。
教授は、針葉樹から広葉樹への移植に大問題があるとお考えな
のでしょうか。

只木教授:
>>>針葉樹人工林、造ったからには正常に育てることに全力を尽くさね
>>>ばなりません。
>>> 森林面積の4割強、国土面積の3割弱までに拡大した人工林にも、
>>>自然環境保全に参加してもらわないと、森林を基調とするわが国
>>>の自然環境は崩壊してしまいます。

ゲンゴロウ:
>> 人工林、植えてしまえば、自然林!ってわけですね。
>> 使いたいときは人工林で、使わなくなったら自然林。。
>> 使えるときは所有権があり、使えなくなると所有権は皆の者。
>> その考え方、なんか変な気がしますね。。私には。
>> もしかすると、国が国策として財閥系企業と共に植えた人工林は、
>> 不用になると自然林と呼ばれ、その保全費用は自然保護勘定という
>> 国税になるという具合なのでしょうか。銀行と同じ。

只木教授:
> 人が植えたからには、いつまでも人工林です。気になってきたのですが、貴殿の「人
> 工林」「自然林」の定義は何でしょうか。もしかして、「木材用途が人工林」 なら
> 誤りです。そんなことはないとは思うのですが、ここの記載を読むとそんな気がした
> もので。明治神宮の広葉樹一杯の森も、人工林なのですから。

私の自然林の定義とは、自然林ということで、「然るべくして
自らある森林」です。なので、いつまでも手が掛かる針葉樹人
工樹林は、いつまでも人工樹林で、教授の願いである「針葉樹
人工樹林も自然環境保全に参加してもらわないと、森林を基調
とするわが国の自然環境は崩壊してしまいます。」は、自然に
いつまでも参加できない森林になります。
もしも、広葉樹人工樹林で、いつか、「然るべくして自らある」
が可能になるのなら、その時、自然林と呼んでもよいでしょう
か。ただし、問題は、先にお尋ねしたことが大切です。広葉樹で、
自然林が可能になるかどうかです。

只木教授:
>>> 【日本の針葉樹林】は、広葉樹と針葉樹を逆にとらえているみたい。
>>>一般に、土地を選ぶのは広葉樹で、土地が悪いところでも根を張って
>>>生育できるのが針葉樹。針葉樹人工林で、根張りが悪いのは、手入れ
>>>不足の競争激化のため、樹木間の競争の影響は、地上部よりも地下部
>>>に激しく現れます。

ゲンゴロウ:
>>「悪い土地でも根を張る針葉樹」は、確かにそのようです。
>> しかし、手入れ不足(枝切り、間伐)のことは、今現在、行われ
>> ていないことなので、出来ない現在の状況で考えないとまずいと
>> 思います。「手入れし、間伐すれば大丈夫」とは、、土砂災害が
>> 起きているから砂防ダムを作ってきた時代が、もうとっくに過ぎ
>> た後の話ではないような気がします。
>>
>>  上記のお話を信じたとして、針葉樹は背丈がかなり高くなるの
>> で、倒れやすいのではないでしょうか。それも将棋倒しに。
>>  生育と、物理的に重力でぶっ倒れるということとは別なことだ
>> と思います。そして、土砂災害は、針葉樹の生育力に関係してい
>> るのではなく、その背丈の高さが物理的に問題のように感じます
>> が。。。
>> 言い換えるなら、現実の問題として考えた場合、
>> 間伐、枝打ち、下草刈りが出来ないのに、それさえすれば、
>> 針葉樹でも大丈夫は、それが出来ない現在、かなりまずい
>> 樹木と考えた方が妥当なような気がします。。。

只木教授:
> だから、その健全化が必要だとは考えられませんか。現実に
>その能力不足が健在化している現状をどうしょうとおっしゃる
>のでしょうか。針葉樹人工林はだめだから、広葉樹にすぐ替え
>てしまえなのでしょうか。私はまず、人工林の能力回復が早道
>と思います。広葉樹林に切り替えるのも大変な事業、そして広
>葉樹林というども、その後の手入れ管理が必要になります。
>ほっておけば、針葉樹の二の舞も考えられるのです。

急がば回れかもしれません。対処療法では、売れない針葉樹林
どうするの?が続くと思います。ただ、疑問も生まれてます。
針葉樹人工樹林ですが、広葉樹へ植林し直すこと、できるので
しょうか。山の奥は、かなり崩壊がすすんでいます。もう、広
葉樹への植林し直し自体が出来ないのではないでしょうか。
もしかして、それを知って、教授は、針葉樹林の管理を唱えら
れているなんてことではないですよね。。。つまり、「とても
言えないけど、もう、山は手遅れなんだ。広葉樹になんかに植
え替えることはできない。だから私は、針葉樹林の管理を言っ
ているのに。。。」なんてことは、ないですよね。もし、そう
なら、それは話は大きく違ってきます。



つづく
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        ゲンゴロウ
gengorou@m08.alpha-net.ne.jp
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