[BlueSky: 5292] Re:5289 その2 「針葉樹人工林」が悪いのではなくて、その「管理手入れ不適切」が問題


[From] "gengorou" [Date] Thu, 14 Aug 2003 01:20:30 +0900

その2@ゲンゴロウです。



その前に、すこし、ここで、これまでのことをまとめ、考えて
みます。

私は現状の「針葉樹人工樹林」を見て、これはひどいと感じま
した。そして、「これは、針葉樹自体が悪いのではないか?」
と思いました。
           ↓
それに対して、教授は ”「針葉樹人工林」が悪いのではなく
て、その「管理手入れ不適切」が問題”とおっしゃっている。
           ↓
私は、前提条件付きで、それに異論は、ありません。
前提条件とは、”要職にあり、その言動で政策に影響を与える人
間は、「針葉樹人工林が悪いのではなくて、その管理手入れ不適
切が問題」というような、針葉樹人工林を擁護すると勘違いされ
るようなことを言うな!”ということであり、”広葉樹植林」の
方向も大切である。”とも、教授が、常に述べることです。
           ↓
しかし、それでも、私は、「管理されれば大丈夫ということは、
管理・手入れを続けなければならない針葉樹人工林は、そもそも
ダメ!なのではないのか?」と思っています。
私は、「管理・手入れ」を重く捉えている。教授はその「管理
・手入れ」を軽く考え、軽く「管理・手入れをすれば大丈夫」
などと言っているようです。

−−−

そこで、こんどは、こちらから、お尋ねしますが、教授は、
「現在の針葉樹人工林の管理・手入れ」について、どうお考えな
のでしょうか。そこが、もっとも気になります。どの様にするつ
もりなのでしょう。

私は、林業のことはよく知りませんが、それでも、針葉樹人工林
の管理・手入れは難しいのではないかと考えています。
今、林道は崩れ作業車も入れず、林業者は衰退。輸入材は安い。
国の財政はきびしい。山の仕事は、きつい、きけん、さみしい。
メディアが都会的な刺激を流す中、若者の意識は都市に向いて
いる。などを考えると、管理はかなり困難な状況だと考えるのが
妥当ではないのでしょうか。管理手入れされていない現状を、、
真摯に受け止める必要はないでしょうか。

私は、日本の林業の衰退は望んでいません。つい最近まで、林業
はどうしたんだ!と思ってもいました。しかし、この地球規模の
競争の海の中で必然的に生まれた分業化の波の中では、どうしよ
うもないことのように思えてきました。

確かに、日本は奈良の時代から木造建築に優れ、木の管理なども
優れていたということで、管理すれば樹木は育つでしょう。しか
し、治山や林業の現象は、樹木独自の現象ではなく、他のさまざ
まな事柄が関わっていることです。なので、その意味で、お聞き
したいのですが、針葉樹人工林は管理が出来るのでしょうか?

もう一度言いますが、私は「管理・手入れ」それに限界があるか
ら「管理・手入れ」がされていないのだと考えます。それで、
「大変な管理・手入れしなければ立ち行かない針葉樹人工林は、
ダメなのではないか?」と考えています。そして、その考えから、
教授の「管理・手入れ不適切が問題」という発言は、強調して言
えば、「遅い!甘い!逆行している!」などと感じてしまいます。
(私の、今のところの、教授に感じる感じなので、
  教授がそれだ!と断定はしておりません。)

   似た様な例が民間の会社にも多い。技術屋と営業
   とのズレなどがそれの様な気がする。造ろうとす
   れば造れないことはない。しかし膨大な金がかかり、
   現実問題として採算がとれず商品にならない。
   技術屋に、いくら説明しても、技術問題としての
   脳しかなく、理解されない。

「管理・手入れ」が出来ないから「管理・手入れ」されていない
時、解決すべき問題は、「管理・手入れの仕組み作り」より以前
に、他の道の模索であるかもしれず、その時点で、「管理・手入
れをすれば大丈夫」は、他の道の模索を阻むことにもなりかねず、
大変にまずいのではないですか。

ここ↑が、今の教授と今の私の決定的な違いだと思います。私は、
管理手入れに限界があると考えています。その私を教授が説得し
ようとしている。「管理すれば大丈夫だ!」と。
私であっても、「そりゃー、人間だから、やって出来ないことは
ない。やりゃーできるはず。まずは、現状ある樹林という現実か
ら手をつければいい」という論ぐらい分かります。
しかし、私は納得しない。なぜなら、それはもうやっているだろ
うし、今の現状は、それをやってきた後の、、もう根を上げてい
る状態だからと思うからです。

こう説明しても、分かってもらえそうもないので、他の例に置き
換えて説明しておきます。
         ↓
  先輩の指導の元、一生懸命に立たせようとしたが、結果
  として倒れている櫓(やぐら)があるとします。
  それを指さし、教授は「櫓が悪いのではない、支えれば
  大丈夫だ」と言う。しかし、それは、「支えれば倒れな
  い櫓」であり、「支えていないと倒れてしまう櫓」であ
  る。つまり、悪い櫓であるのではないでしょうか。
  さらに「支える」ということが、物でささえるのではな
  く、者でささえる。さらに、さらに、「支える」という
  より「支える」ことを「持続」しなければならない。
  すなわち、教授が言う「櫓が悪いのではない、支えれば
  大丈夫」は、誰が考えても「人が支え続けなければ倒れ
  てしまう櫓が問題」と言っているのと同じではないでし
  ょうか?
  本質的な問題で、注視しなければならないのは、「現在、
  すでに、支え続けられなかったという結果がある」こと
  だと思います。そして、今、「支えることを強いている
  のは、他ならぬ、すぐに倒れてしまう悪い櫓だと、私は
  思います。
  教授の主張は、私には、本末転倒のように思います。

−−−−−−−−−−−

ところで、お聞きしたいことがあります。もし、ほとんど管理
・手入れされないのならば、広葉樹人工樹林と針葉樹人工樹林
とどちらがいいのか?です。あるいは、広葉樹人工樹林と針葉
樹人工樹林のどちらが管理・手入れしやすいか?です。
私は、さまざまな性質の木が育つ山、広葉樹人工林のように思
えるのですが。


つづく
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        ゲンゴロウ
gengorou@m08.alpha-net.ne.jp
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