[BlueSky: 5291] Re:5289 その1 「針葉樹人工林」が悪いのではなくて、その「管理手入れ不適切」が問題


[From] "gengorou" [Date] Thu, 14 Aug 2003 01:20:16 +0900


その1@ゲンゴロウです。


佐藤さん:
> 昨日、もう一度 只木良也先生にお願いしたところ
> すぐにご返事をいただきました。

日本の林業を指導・牽引して来られた方とお話できるのは、
ありがたいことであるなと思っております。
私も、たくさんご返事を差し上げます。
私なりに、思いっきり、考えたことを言わせていただきます。
私の返事、時間がないときは一ヶ月ほどかかります。
今回は特別。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 

只木教授:
> まず、この源五郎さんは、「人工林はだめ」が固定した思い入れのため、何を言って
> も理解してもらえそうにありませんが、

前回も、教授は「ゲンゴロウさんという方は思い入れが強いようで
・・・」と、おっしゃってましたが、今回の教授の考え方、言い方
いかがでしょうか。
教授は、「この源五郎さんは、何を言っても理解してもらえそうに
ありません」と言われますが、私は納得できないから納得していな
いだけのことです。教授も、納得できないときは納得しないのでは
ないでしょうか。
ある人が相手に説明した場合、納得しない者がいる原因は、説明者
が間違って可能性もあるのではないですか? あるいは、説明のし
かたが悪い可能性もあると思います。その可能性を考えずに、相手
(私)の考え方を「固定した思い入れ」と決めつける考えは、短絡
過ぎるように私は思います。素人相手(私)なので、お気持ちは分
かりますが。。。

ところで、他にも多々、妙な部分があり、議論に影響してきますの
で、上げておきます。

○ 教授からすると、「源五郎は針葉樹嫌い」になっているようで
  すが、私、知識はなくとも、この話の内容が好き嫌いの話では
  ないのは承知しているつもりです。
○ 私は、「今、植えられている針葉樹人工林はもう放置せよ!」
  とは考えていません。「針葉樹人工林の放置は、放置されてし
  まう状況が、問題の中にあるのでは?」と仮定し、疑問をもっ
  て考えています。
○ そして、私が疑問を持つ原因は、私が「放置」を重く受け取っ
  ているからです。「放置していい」とは意味が違います。
○ もう一つ、私は「人工林はダメ」と言っているのではなく、
  「針葉樹の人工樹林がダメなのではないか」と言っております。

そのあたり誤解のないよう、よろしくお願いします。

−−−−−

只木教授:
> 当方は、「広葉樹天然林はだめ」とか「針葉樹人工林万能」と言って
>いるのではありません。現実に普遍的となった「管理不行き届き」の
>人工林にも、わが国の環境のために参加して貰う、そのためには管理
>手入れが必要、それには「人工林はだめ」の誤解を解く必要がある、
>と言う考え方です。

このご意見は、とても納得できます。但し、条件付きです。
教授は上で ”当方は、「広葉樹天然林はだめ」とか「針葉樹
人工林万能」と言っているのではありません。”とおっしゃっ
てますが、その、教授ご自身がおっしゃっていることが条件で
す。
なぜ、私がこれを「条件」と厳しく言うかといいますと、教授
の主張が、教授の意に反して、他者に違って伝わるからです。
教授がこの前置きを抜いて、”「針葉樹人工林」が悪いのでは
なくて、その「管理手入れ不適切」が問題”と言うのであれば、
それは、まるで、「針葉樹で大丈夫、十分だ!」と、他者に取
られかねないからです。
はっきり言って、[BlueSky: 5267]での教授の話しには、この
前置きがなく、私には、教授が針葉樹人工林を擁護をしている
ように取れました。
言い回しのことで申し訳ないのですが、これは大切なことだと
思います。

「広葉樹人工林への移行」と同時並行で、「針葉樹林の管理・
手入れ」で、山の崩壊を救う。というご意見ならば、私には
まったく異論はありません。
ただ、教授のお考えに、いくばくかの危惧があります。
それは、「責務者」と「放置」の考え方についてです。

まず、「責務者」についてですが、教授は[BlueSky: 5267]で、
「林業は山の持ち主として国土を守り、公共へ環境を提供する
責務を負っています。」とありますが、なんか妙な感じを受け
ます。「個人、ないしは企業という林業従事者に責務がある」
と、お考えなのでしょうか。個人、企業は、行政とは違います
ので、そこまでの義務はないのではないでしょうか。この考え
方は、銀行の国有化に似ていると思います。健全な民間企業と
しての考え方としてなら分かりますが、「責務」は、ないので
はないですか?というより、理念があっても国際経済の波とか、
日本の産業構造の変革によって、崩壊してしまったからのでは
ないですか? もう少し具体的に言うと、責務としては重すぎ
る故に、現在の山の状況が、結果として起きているのではない
ですか?

次に、「放置」の考え方ですが、それも同じ。「放置」は、必
然的に結果として起きているのではないですか?どうしようも
ないから起きているのに、それが問題であると、問題にするの
は、それこそ問題を放置することになりませんか?

ということについて、触れながら、語らせていただきます。


つづく。
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        ゲンゴロウ
gengorou@m08.alpha-net.ne.jp
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