[BlueSky: 5284] Re:5276 速水木材は高級材 ?


[From] "gengorou" [Date] Thu, 7 Aug 2003 00:10:19 +0900



ゲンゴロウです。

萩野さん:
> ゲンゴロウさんの意見で、以下のところが気になりました。

萩野さんの5278の投稿、なるほどな〜と思って、読みました。
今回、白書のデータの紹介、ありがとうございます。
こういう数字は、大切ですね。(私、弱いけど。。)

ゲンゴロウ:
> (速水林業さんについて)
> >他の林業業者が手を引き、高級木材の値が高
> >く維持できる状態というのは、他の山が放置されているという
> >環境があるということです。
> >それを考えると、私は、速水林業のケースというものは、
> >「こうやれば人工針葉樹林でも大丈夫さ!」という例ではなく、
> >他の山は放置されている例とも、とれるように考えます。
> > しかしながら、もし消費者が家屋の化学物質によるチック症
> >候群と嫌い、木材住宅を希望し、それを大企業が商売になると
> >考え、日本の放置された山に、再び着目したら、また再び、山
> >は管理・手入れされるようになるでしょう。(ただ速水林業は
> >立ち行かなくなるでしょう。)

萩野さん:
>  これをみると、ゲンゴロウさんは、
> 速水木材が成り立っているのは、市価よりも高額で
> 木材を販売できているからだと理解されたようですが、
> 実際そうなんでしょうか。
>  これは、重要な点だと思うので、
> 佐藤さん(葛貫さん)紹介の記事に、手がかりがないか注意してみました。
>
>  広さ          1000ha
> 従業員          19人
> 02年度売上高   1億6000万円
> 〃 ヒノキ伐採量   4200立米
>
>  ここから大雑把に計算してみますと、
> 売り上げはすべてヒノキであるなら、
> ヒノキの販売価格 1億6000万円 ÷ 4200立米
>                 ≒38,000円/立米
>
>  それで、市価の木材価格というのは、『森林・林業白書』(平成13年度版)
> http://www.shinrinbunka.com/datatable/2-1-04.html
>  によると
> ヒノキ中丸太が、 平成12年 40,200円/立米 
>            平成13年 37,800円/立米
>
>    ということなので、これはそのまんま市価ではないのかしらん。
>  それで何とか黒字になっている!!!

なるほど。そういう計算になりますね。
ただ、新聞記事の中では、速水氏は、「うちは、品質の良いヒ
ノキ材を生むために、長く育った木を伐採します。わが国では
50年くらい育った木を切ることが多いのですが、うちでは、
80年から120年育った木を出すようにしています。」と、
言ってます。つまり、太い木を重機で持ち出せるので、まず、
手間が少なくなる。次に、太い木というのはまっ角の柱材が
多く取れるので、柱材となった時、無駄が出ず、効率が良く
なるのかもしれませんね。ご紹介の表を見ると、真っ角にな
ると値段が倍になるようです。
また、質が高いということは、柱材になったとき、さらに値段
が跳ね上がっているかもしれません。

それはともかく、私が高級材といったのは、少し、言葉が
自分なりだったようです。私が高級と思ったのは、新聞の
記事に「品質の良いヒノキ・・・」と書いてあったので、
具体的に考え、無垢の木で集成材ではないということと、
太い木ということで、柱をたくさん取れるということと、
そして手入れがされているということから節がまったくない木と、
単純に考えて、私は高級材だと思ったわけです。

しかし、それはどうあろうと、
他にヒノキを扱う有力な林業者が出てきたらが、
やはり相対的にヒノキの値崩れは起きる。。
それは、単に需要と供給と競争の原理?から考えたことです。

−−−

>  ついでに、乱暴な議論ながら、
> 作業員20人(先代も入れて!?)として、一人当たりの受け持ち範囲
> というのを考えてみると
>
>      1000ha ÷ 20人 = 50ha/人
>
>  となるので、毎年一応一回りするとしたら、
> ほぼ、一週間に一人で 1haということになる。
>
> そんな割合でやっていけるということは、
> おそらく、ほとんど手を入れなくても、自然に回っていくような
> 状態になっている、ということなのではないのかなあ。
>
>  つまり、速水林業の手法は、
>  うまいことバランスをとって、山の生命力を引き出せば、
> そんなに手をかけずにすみ、現在の木材市価でも何とかやっていける
> ということなのではないでしょうか。
>  おそらくこれより低コストの方法は、ありえない。
> したがって、大企業が進出してこようが,輸入木材の動向が
> どうなろうが、びくともしないのでは。

新聞記事に書いてあったことを信じれば、少ない人員で
管理できる秘策は「網の目の林道」でしょう。
この林道は二つの大きな利点があるようです。
一つには、重機が入り込め、その為に人手が少なくてすむこと。
もう一つは、林道が、川で言うところの砂防ダムの役目を持っ
ていて、急傾斜地を平地に変えることが出来るようで、
その分、傾斜地の崩壊を防止するというかなり
大変な作業が軽減されているのではないでしょうか。

−−

ところで、私の言いたかったことは、速水林業の行く末では
なく、「長いスパンで責任がある林業」の衰退ということです。
なので、萩野さんの結果から考えられることは、長いスパンで
林業に真剣に取り組めば、速水林業の様な業者が残るという
ことでもあります。が、、それだから、
「儲からない、やめたということで放置され始めた日本の
崩壊する斜面はどうするのだ!」ということで、
また、需要が多くなると、、同じことが起きるのだろうな・・・と
思ったのです。

−−−−−
萩野さん:
>  <ついで>
> 広葉樹と針葉樹の落ち葉、というより,落葉樹と常緑樹の落ち葉は、
> 常緑樹のほうが作りがしっかりして長持ちするようです。
> そして、常緑樹は春先に新芽が出てきて、葉が入れ替わるようです。
> つまり、梅雨・台風の季節に落ちてるのは(針葉樹も含めた)常緑樹の葉
> ばかりのように私には思えますが、ゲンゴロウさんの近所では
> そうではないのでしょうか。いくら秋に落ちてもねえ・・・。

家内が庭いじりが好きなので、秋に、落ち葉を学校や公園、
団地などに行き、かき集め、腐葉土を作らされているのですが、
庭に撒いておくだけでは、そうやすやすとは落ち葉は、
土になりません。
ちょっとした腐葉土作りの穴もあるのですが、
そこにバサッと入れておくだけでもダメ。
落ち葉を入れ、上に土を撒き、水をかけ、次にまた落ち葉を・・・
と繰り返して、3週間したらかき混ぜるなんてことやってますが、
なかなか腐葉土にはなりません。
冬にかき混ぜると、あったかで、湯気が出ます。
という経験から考えると、
乾燥し、虫も活動しない、自然環境の冬の間には、
落ち葉は、春〜夏までも秋のままではないでしょうか。
秋に落ちても十分、翌年まで持つと思います。
少し朽ち、分解した上に、次の秋の落ち葉が
落ちるような気がします。
それから、我が家の庭には、マル虫?がウヨウヨいますが、
彼らは、なんか一生懸命に落ち葉をウンコに変えているような
気がします。

 確かに、常緑樹は春というか、梅雨の間に、葉を落としながら
新芽を吹きますね。我が家にはクロガネンモという木があり、
いつの間にか、新緑の葉に代わっていたりします。

>  落葉樹は、日の差すほうに枝を伸ばして成長します。
> しだがって、その重心は根元からかなりずれているようです。

そうですね。
手入れされていない広葉樹林の、あの木の弱々しさ。。。
光りの差し込むほう、差し込むほうにヒョロヒョロと伸び、
枝もさらに伸ばしてますね。
一方、杉などは、ただ、バカみたいに重力に逆らった方向に
伸びているようです。
急傾斜地どころか、絶壁断崖に根を張った杉の木でも、
崖に添ってまっすぐですね。
一方、崖に根を張った広葉樹は、崖を覆うように葉が
茂っています。
 広葉樹林は、その広葉樹の修正できる習性?によって、
森の空は覆われ、結果、雨を防ぐ天然の屋根になっている
ようです。

> 5月頃の台風の後、見回ったら、杉の列の脇で大きくなっていた
> 落葉樹(アカメがしわ)が、ぽっきり折れていました。
> 虫に食われてもいたようです。杉は大丈夫でした(どっちにしても隣の木)。
>
>  問題なのは、特定の種類の木だけを密植して、しかも放置する
> ということでしょう。するとその弱点がもろに出てしまう。

問題は、それもあるようですね。
あれもあり、これもあり、、のようで、実に、これまた難しいと
いうことが、、分かってきました。

             ゲンゴロウ。。




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