[BlueSky: 5280] Re:5279 シアトル酋長のメッセージ


[From] "Y.kuzunuki" [Date] Mon, 04 Aug 2003 10:49:50 +0900

葛貫です。

中澤さん wrote:
> 寮美千子訳とはかなり(とくに後半が)違っていますが,元にした
> 英文も違うのでしょうね。

もう少し、気合を入れて(?)検索してみたら、
http://www.aritearu.com/Influence/Native/NativeBookPhoto/FatherSkyMotherEarth.htm
に、この手紙が書かれた経緯、テキストの変遷について概説されて
いました。時代の流れとともに、訳者の様々な思い入れが込められ、
「シアトル首長によって触発され、人々のなかから新しく生まれた
美しい言葉の結晶」になっていったそうです。シアトル首長がイン
ディアンの言語で語り、その場で英語に書き留められたというオリ
ジナルを読んでみたい気がします。

> 持ってしまったというよりも,明治維新後に欧米かぶれした政府
> によって持たされてしまったのだと思います。例えば,
> http://www.geocities.com/deho1999/dh98/jinushi.html
> の記述が参考になります。[BlueSky: 772]で御紹介した鈴木秀夫
> 「森林の思考・砂漠の思考」にもあるように,日本は森林の
> 思考の世界だったはずなので,元々は,土地は天からの借り物
> と感じられていたのではないでしょうか。

夏休み前に、子供が歴史の試験をクリアするためにブツブツ呟いて
いた律令制や、荘園制、領地、領主、領民等という言葉が頭にあっ
て、日本でも7世紀頃から、土地やその土地に暮らす人まで、公有、
あるいは私有の物として扱っていたのでは、と思ったのですが、
地面を所有するというより、人が働き産物を生み出す「場」を所有
し、そのために必要な維持管理を行うという感じだったのかな、と
思いました。「森林の思考・砂漠の思考」、読んでみます。

> コモンズについては,葛貫さんは御存知のとおり,
> BlueSkyでも「共有地の悲劇」については延々と議論がありましたし,
> (まとめ※:http://sv2.humeco.m.u-tokyo.ac.jp/bssummary.html#4

広木さん(お元気ですか?)の『資源は各人に均等に割り振ら
れているのではありません。各人が必要なだけ「ぶんどる」のです。』
というお言葉で、“(゜ o゜;) ”となったのを思い出しました。

> ぼくが昨年まで参加していたプロジェクトでもエココモンズという捉え方
> http://future.humeco.m.u-tokyo.ac.jp/F-eco.htm
> がありましたが,資源の私的所有がありえない世界観が共有
> されていれば悲劇は起こらないような気がします。

このプロジェクトに携われた方は、
「農園開発で火災頻発 伐採・植林、消える熱帯林:インドネシア」
http://www.asahi.com/international/aan/hatsu/hatsu020824b.html
という記事を書かれた方ですね。

地元の人達が自分達の暮しの立て方を考え合わせながら、外部から
援助(?)を受けて行くのって、本当に難しいんですね。
もちろん利益もあった方がいいけれど、「場」が上手くまわってゆ
くように智慧を出し合う事自体を楽しめるようにする、というか、
そういう働きが社会的に評価され、資金が得られるようになるとい
いのに。

> ※まとめページはずっと放置していますが,追加機能がないわけでは
> なく,暇が無くてやっていないだけです。ごめんなさい。

「共有地の悲劇」のスレッド読み返せて、有り難かったです。

【5233】
> 夏はベトナムとインドネシアに出張するので
実り多い出張となりますよう、お祈り致します。


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