[BlueSky: 5258] Re:5257 心象


[From] "suka" [Date] Tue, 29 Jul 2003 21:24:11 +0900

葛貫さん みなさん

   須賀です。

葛貫さん:
> 「自然」という言葉にこめられているニュアンスも文化圏によって、
> ずいぶん違うんですね。
> 今、日本で「自然」という言葉は、どういうニュアンスで使われる
> ことが多いのでしょう。

そうですね。そして文化をどんなふうに自分のものとしていくかも、
ひとりひとりの体験によってちがうのでしょうね。そのことについて
きちんと話し合うのは、あまり簡単なことではないかもしれません
けれど。

葛貫さん:
> 打ち捨てられた住居の跡や農地等をみると、開発される前の植生と
> は異なるかもしれませんが、隙あらば入り込み、繁る植物の力って
> 凄いなと思います。

長野県のある村の農地が1960年代から20世紀のおわりまでに
どのくらい森林に変ったかを地図化したものをみると、そのあまり
のひろさにおどろきます。現地をあるいてみても、昔どんな景色で
あったのか、わたしにはあまりイメージができません。過疎化しな
がらもその村はつづいてきましたから、そこに毎日の生活があり、
いろいろな出来事があって、変ってきたということですね。

葛貫さん:
> 自分の身体能力をものすごく増強させる機器に囲まれ、外界に対し
> て余裕のある対応をしている人と、食うか食われるかのところにい
> る人の自然に対する思い、保全や保護に対する感じ方は、ずいぶん
> 違うだろうなと思いました。

そうですね。そして、それは境遇が似ていても、やはりひとりひとり
少しずつちがうものではないかと思うのです。保全や保護について
話し合うときには、そのことをひとつの土台にしてはどうかと思うの
ですが、やっぱりむずかしいのでしょうか。

> 須賀wrote:
> > 宇宙人がやってきて、地球にある一番美しい音楽をサンプリング
> > したいといいます。音楽ファンがいろいろなジャンルのレコード
> > をもちだして、これはどうだ、いやこっちはどうだ、と推薦します。
> > けれども、宇宙人は首を横にふりつづけます。結局、宇宙人が
> > 選んだのは、さえずる一羽の鳥でした。(くわしい展開はわすれ
> > ましたが、概略としてこんな話でした。)

葛貫さん:
> どういうものを「美」とするかも、育ってきた環境というか文化に
> よって作られる部分もあるのでしょうね。書き手の美意識がうかが
> えるお話だな、と思いながら読みました。

なるほど、そうですね。

葛貫さん:
> そういうフィルターを通すいとまもなく、直接、魂(心身?)に響
> いてしまうような「美」との遭遇、一度してみたいものです(^^)。

そういうことって、可能なのかなあ。人間の意識のなかに、
環境や文化のフィルターに左右されない「美」の感覚がどこか
に(先天的に?)そなわっているのかどうか。面白そうなテーマ
ですね。

-----
須賀 丈(すかたけし)
長野県自然保護研究所
電話026-239-1031
Fax026-239-2929







▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。