[BlueSky: 525] Re:491 Re478 議員の採決と有権者の投票


[From] "Kaz. Yokoyama" [Date] Fri, 20 Aug 1999 14:51:51 +0900

ながみつ@札幌さん,後藤さん,MLのみなさん

横山@農環研です。

Nagamitsu Teruyoshi さんは書きました:
>各議員の議案にかんする賛否は、多変量解析で定量的に分析できます。
>その分析結果は、有権者が投票するときの参考になるとおもいます。
>たとえば、有権者がいくつかのyes/noの設問にこたえるだけで、
>自分の意見にもっともちかい採決行動をした議員をさがすような
>www上のページをつくることができるでしょう。
(中略)
>というわけで、採決の情報が公開されることを、私はねがっています。
>あるいは、選挙前に議員それぞれに質問票をおくって、
>任期中におこなわれた採決での賛否を
>こたえていただくのも手かもしれません。

面白いアイディアですね。
青空環境問題(勝手に)シンクタンクとして試してみても良いかも知れません。

ただ,私が環境問題にしてもやっぱり選挙を棄権するようじゃ駄目だなぁと考える
理由は,第一に何と言っても,政策の策定に当たっての議員さんの力は絶大だという
素朴な感想と,
その議員さんを選ぶ過程で(一見)一部の民意しか反映されていないんじゃないか
との思いが有るからです。

私が申し上げる議員さんの影響力とは,法案の採決での投票行動ではなく,むしろ
その前の段階での(何というか)意向というか,示唆のような物が政策決定に大きく
影響する点です。法案審議のための委員会や公聴会のメンバー選び一つでも結論
は大きく違ってきますしね・・・・

採決にかかる法案はそう言ったやり取りを経た物であり,その時点では党議拘束の
ような物もありますので,議員個人の考えが見えにくくなっているように思われます。

ですから,環境対策を実効的に前進させようと考えるのなら,議員さんにどれだけ
環境問題シンパを形成させるかがより現実的だと考えます。

しかし,残念ながら,実際には環境問題などの言うなれば高次の問題意識を持つ人
は選挙などの生臭いイベントには比較的無関心な方多いように思われます。

それに対して,
より生活に直接関わる問題(補助金や公共事業発注など)に興味を示す人が選挙に
掛ける情熱は凄いですからね。

そう言う利益代表的議員さんは利益の前には団結力は絶大です。かくしてそちらの
方向へ日本は驀進して行くわけです。

あんまり具体的に述べると差し障りが有るので控えますが,言いたいことは分かって
頂けると思います。

ですから,「何とか党を支持しよう!」ではなく,環境問題に関心の有るような人が一人
でも多く選挙に行くことによって確実に議員さんのメンバー構成,少なくとも議会の中の
思想的多様性が増すのではないかとの期待を持っての行動です。

ここからは余談ですが,私は仕事で微生物群集の多様性と安定性について研究して
いますが,群集の構成が単純(多様性が低い)な場合,安定性は静的なものに成り,
群集が多様な場合,動的な安定性をとります。前者は群集が置かれた環境が静かな
場合非常に安定ですが,激しく変動する環境には対応できません。それに対して,
後者は,環境の変動に合わせて自らも動的に変化しながら安定を保つことができる
ようです。ただ,群集の構成者にとっては動的な安定性はしんどいです。静的な安定
の方が心地よいでしょう。どうも戦後の日本は静的安定な理想世界を夢見て来たよう
ですが,これからは動的な安定という強かな道を探るべきでないかというのが私の直感
です。そのためには,議員さんも,(このMLの参加者も)多様であった方が良いの
ではとの自己弁護も込めてこれからも「変な」発言をしてゆこうと考えています。

→後藤さんこれで良いでしょうか?

では

Kazunari Yokoyama, Ph.D.
Soil Microbial Ecology Lab.
National Institute of Agro-Environmental Sciences, Japan
Phone:+81-298-38-8300
Fax:+81-298-38-8199


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