[BlueSky: 5249] Re:5241  改題:「心象」と「理解の蜃気楼」


[From] "gengorou" [Date] Sun, 27 Jul 2003 08:39:57 +0900


長野の自然は愛されている気がする。。
             ゲンゴロウ
−−−

須賀さん、お世話になってます。
今回、教えていただいたこと、勝手ですが、まとめてしまいました。


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「心象」と「理解の蜃気楼」
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葛貫さん:「人と話すとき、相手の言葉の意味を理解している
     と思っているが、本当は自分の記憶や理解を当ては
     めようとしているだけで、脳の内部の意味や価値が
     想起されるにすぎない」そうです。

石川さん:神や愛や自由といった、抽象度の高い言語ほどミラ
     ージュを現出させるようです。会話してお互いに話
     が通じたと信じ込みながら、実は全然通じていない、
     というような理解の蜃気楼(ミラージュ)なわけで
     す。

須賀さん:「心象は経験を通じて形成されます。そして、この
     心象がわれわれの思考の単位となります。われわれ
     は心象を介して世界に触れ、心象によって自分にも
     触れるのです。外の世界(客観世界)はそのままで
     はわれわれの手に負えません。われわれは世界を、、
     心象形成というやり方で読み取っているのです。
     心象という形に再構成しているのです。
     ・・・そして、心象は視覚映像だけではありません。
     触覚、聴覚、嗅覚、味覚など視覚化出来ない心理現象
     を含みます。これらをすべて含む語としては、正確に
     は心理表象という言葉を選ぶべきなのですが、長いし、
     なじみも薄いのでやめにしました。」と、こういう、
     こともあるようです。

ゲンゴロ:「そのままでは手に負えない」が、印象に残ります。。
     客観世界(実世界?)は、膨大な情報量があるので、
     人は、人それぞれに、その客観世界から情報を抽出し
     て、自分なりに心象世界を作るのですね。。つまり、
     人は、語り合う時ではなく、もう、それ以前にミスを
     犯しているようですね。世界を自分の心の中に取り入
     れる時点(経験時)に、サンプリングミスを犯してい
     る。。しかも常に。。・・・・なるほど。。。

     「夕暮れ時の情景」と聞いて、どんな人も同じ情景を
     思い浮かべることはない。(私には夕げの匂いもあり、
     一緒に遊んだ友達の声もある。。)
     「美しい花は」と言われてユリの花を思い浮かべる人
     もいれば、デイジーを思い浮かべる人もいる。
     単に「犬!」と言われ、可愛い犬を思い浮かべニコリ
     とする子もいれば、凶暴な犬を想い描いて泣いてしま
     う子もいる。
     「戦争」という言葉を読んで、勇ましく銃を撃ってい
     る自分を観てしまう人もいれば、”はらわた”が飛び
     散った自分を想像してしまう人もいる。

     互いに完全に分かり合えるなんてことは、もう出来な
     いと考えたほうがいいかもしれませんね。でも、出来
     ないからあきらめようと考えたら、何もかもが終わり
     になりますね。。。あきらめて、不可能を理由に、皆
     が勝手なことを始めたら、それこそ旧約聖書のバビロ
     ンの塔になってしまいます。
     人が理解し合うということは、とてもむずかしいです
     が、その「理解し合えることは、誰にとっても、大変
     に難しい」ということを知ることこそが、とても大切
     かもしれませんね。で、それこそが救いになるかもし
     れませんね。
     おかげさまで、とても良い勉強になりました。。
     ほんとに、ありがとうございました。

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人と人とが語ることの難しさを、ひしひしと感じる今日この頃で
あります。語ることは、考えていた以上に難しいようです。。。
ほんとにむずかしい。。。

葛貫さん、須賀さん、ほんとに、いろいろ、ありがとうございま
した。
                      ゲンゴロウ。。。



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        ゲンゴロウ
gengorou@m08.alpha-net.ne.jp
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