[BlueSky: 5204] Re:5203 “ The Skeptical Environmentalist ”


[From] "Y.kuzunuki" [Date] Thu, 26 Jun 2003 18:53:34 +0900

こんにちは、葛貫です。

山口さんwrote:
> ホントもうまく選んでつなげて論じると嘘もつけるということでしょうか。
> 環境保護団体の欺瞞の指摘についてはうなずける部分も多いのですが。

米国の科学界でウケがよいのは、日本人が見ると「たったこれだけ
の事例から、ここまで話をふくらませて、発表できちゃうわけ??」
と思うようなものが結構ある。どれだけ緻密な検証をしたかという
ことより、こういう見方、こういう切り口もあるんだという新しい
視点を提示する人が注目をあびる、というような話を読んだことが
あります。

> この本に対して Scientific American 誌が特集を組み、著者を大勢で槍玉に
> した号がありました。

[発信箱]文化としての科学=青野由利
http://www.mainichi.co.jp/news/article/200306/25m/007.html
というコラムを見かけました。

・・・前略
米国の「サイエンティフィック・アメリカン」と、その日本語版の
「日経サイエンス」の発行部数を比べると、米国は日本の30倍に
のぼる。  二つの調査からは、科学者も一般人も「科学技術の背
景や社会とのかかわりに関心が低い」という日本の状況が浮かぶ。
 論文を読むのも大事だが、科学者にはニュースや解説を楽しむ余
裕が欲しい。そこから、一般の人も科学を文化として楽しむ土壌が
生まれると思うからだ。・・・・後略


“The Skeptical Environmentalist ”の著者は統計学者でしたね。
統計資料の使い方一つで、巷で言われてきたことと、どれ程、違う
結果を導くことができるか試してみた。自分の目に適う統計資料を
集めて結果を導く事例を示し、世に問いかけてみた、というノリの
本なのかなと思っていました。

Scientific American は、一般向けの科学誌になるんですね。
その誌上で公開論争を引き起こし、

> Spin doctor:Brownlash対 Greenの戦いという構図があります。
> 両サイドの本を数冊ずつ読み比べてみました。

というような視点でみてくれる人が出てくること、それを話題にし、
興味を持って、今後の成り行きをみてくれる人、意見を述べてくれ
る人が増えることは、Scientific American誌や著者が望む所だっ
たのではないか、というのは深読みのし過ぎでしょうか(^^;。


> 化学物質問題については
> brownlashたちの共通点は直接的な人間への安全だけを気にしていることで、
> その枠内では正しいことを能弁に主張していますので、反論がとても難しい。
> しかし、環境の中で人間が生かされていることを視野から外して論じています。
> 地球環境は人間に都合よく管理され(てい)るのだと思っている人たちなのでしょ
> う。

The Skeptical Environmentalist のペーパーバック版が出版され
たのは2001年9月。「環境の中で人間が生かされている」という
視点から「直接的な人間への安全」だけを論じていては拙いんだよ
と、反論をしうるデータを集めている人達もいるのでしょうか。

なんて書いていて、報道番組を制作している松原耕二さんという人
の『ぼくは見ておこう』の中の「論理と情緒」
http://1101.com/watch/index.html
というコラムを、ふと思い出したりして(^^;。


取り上げられている全分野に関して読みこなすことはできそうもあ
りませんが、自分がこだわりを持っている分野だけでも、読んでど
んな気持ちの動きが起きるか、目を通して試してみたいなと思いま
した。


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