[BlueSky: 4988] Re:4987 対イラク武力行使


[From] "Takashi Suzuki" [Date] Sun, 23 Mar 2003 22:44:30 +0900

----- Original Message -----
From: "yuichiro komiya" <haq22490@star.odn.ne.jp>
To: <bluesky@sv2.humeco.m.u-tokyo.ac.jp>
Sent: Sunday, March 23, 2003 10:22 PM
Subject:4987 Re:4986 =?ISO-2022-JP?B?GyRCQlAlJCVpJS9JcE5POVQ7SBsoQg==?=


小宮さん、香港の鈴木さん。

福島県の鈴木です。

>> 人間性に希望はないと考えます。日本は、パワーバランスゲーム
>>を再度開始すべきで、力無くしては、高邁な理想も志も実現でき
>>ない、というのが悲しいことに現実のようですね。

>うーん…そうなんでしょうか。これだけ科学文明が進んで、
>動物や人間の性質も遺伝子レベルで解明されようとしている
>時代に、人間の本能的なものを抑えて、国際協調をすすめて
>いくということは絵空事なんでしょうか…。確かに本能的に
>みれば人間性というのは弱肉強食なんでしょうが、それを
>知性で乗り越えることができると、僕は数週間前までは
>思っていたんですけどね。でも、最近はあまり自信がない
>ですが。

現実のキリスト教や仏教がどうであるかは別にして、
イエスキリストや釈尊は、平和は可能であると考えていた。
そのための実践方法も示した。
それが完全に有効だったとは、言い切れないけれども、
有効性があったればこそ、これまでその教えが続いているのではないでしょうか。
戦いの前ですが、ダライ・ラマは以下のように語っています。
たしかに、知性は無効であるかもしれません。
しかし祈りは 無効なものなのでしょうか。
わたしは有効と思います。否、祈りより他に、道が無いと思います。

*************************************************
ダライ・ラマ

「現在、イラク問題は非常な危機的状況におかれています。

戦争、つまり、組織的な種類の戦いは、人類の文明の発展に伴ってきました。
今や、人類の歴史、または人類の性質の本質的な部分になってしまった感さえ
あります。同時に、世界は劇的な変化の真っ只中にあります。

我々は、人類の問題が戦いによって解決されないことを目の当たりにしてきまし
た。意見の相違から生じた問題は、時間をかけた対話によって解決されなければ
なりません。戦争によって勝者と敗者が生まれるのは間違いありませんが、それ
は、一時的なものに過ぎません。戦争の勝利も敗北も、長く続くことはないので
す。

また、私たちは、互いに大きく依存し合う世界に暮らしているので、ある国の敗
北は、その他の国々に影響を与えたることは間違いありません。また、すべての
国々は、直接的、または間接的に損失を被ることになるでしょう。

今日、世界は非常に狭く、お互いを助け合うことで成り立っているので、戦争と
いう概念は、過去の遺物であり時代遅れの手段となっています。

大きな流れとして、人類は常に変革と変化について議論します。旧式の因習の中
では、私たちの現実にはふさわしくない多くの局面、または、偏狭さゆえに逆効
果を招くような多くの局面が存在します。このような局面は、歴史のごみ箱へと
追いやられてきました。そして、戦争もこのごみ箱へと追いやらねばならないの
です。

不幸なことなのですが、21世紀を迎えた現在でさえも、昔の人間たちの習慣を
なくすことができないでいます。この習慣とは、武力によって問題を解決するこ
とができるという信念、または確信のことです。

世界が、あらゆる種類の問題に悩まされ続けているのは、この信念が原因となっ
ているからです。

では、私たちにできることは何なのでしょうか。強大な権力が既に態度を固めて
しまった場合、何ができるでしょうか。私たちができるのは、戦争という因習が
少しずつでも終わりに近づくことを祈ることだけです。

もちろん、軍事的な因習というものは、簡単に終結を迎えることはありません。
しかし、このように考えていただきたいのです。流血の惨事があったとき、安全
な場所を見つけ、結果として起こる過酷な運命から逃れるのは、責任ある立場に
おかれている権力者たちです。このような人間は、何とかして自分たちの安全を
確保するでしょう。

しかし、貧しい人々、防御するすべを持たない人々、子供たち、老人、病人はど
うなるでしょうか。攻撃の矢面に立たされるのは、このような人たちなのです。
武器が攻撃に使用されたとき、その結果は死と破壊です。武器は、罪人も罪無き
人も区別はしません。ミサイルが一度発射されてしまえば、無実の人、貧しい人、
武器を持たない人、または慈悲を必要としている人も無差別に攻撃されます。

そのため、本当の敗者とは、貧しい人や防衛の手段を持たない人であり、無実の
人であり、その日暮らしをする人たちなのです。

肯定的な側面としては、戦争で荒廃した地域でボランティアの人々が医療、支援
活動、その他の人道的援助を行っているということが挙げられます。これは、現
代において私たちの心を打つ進歩と言えましょう。

それでは、可能な限り戦争が回避されることを祈りましょう。しかし、戦争が勃
発してしまった場合には、流血や過酷な運命が最小限に留まるように祈りましょ
う。私たちの祈りがどれほど実際的な力を持つのかは分かりません。けれども、
今、私たちにできることは、それが全てです」

http://www.tibethouse.jp/news_release/2003/030311_iraq.htmlから引用。

******************************

May peace prevail on earth

鈴木 隆 
shienron with infinite love


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