[BlueSky: 4920] Re:4916   retreat


[From] "荻野 行雄" [Date] Tue, 25 Feb 2003 19:37:03 +0900

 葛貫さん

 たしかまだ、小さいお子さんもおられるとのことだったと思いますので、
あるいは、ということもあるかも知れないと考え、
今回は正面から反論させていただきます。

>「閉じこもる」とか、「引き篭る」とかいうと、ネガティブな印象
>を持ってしまいますが、こういう状態は英語だと‘retreat’にな
>るのではないかな、と思います。

>私の感覚だと、今の「普通」はどちらかというと「躁」に傾いてい
>て、それに振り回されているとexhausted(枯渇した、疲れ切った)
>状態になってしまいます。適当に失礼して、混乱した状態から退き、
>体勢を建て直すretreatの時間をとり、自分なりのバランスを保つ
>ようにしないと参っちゃうだろうなと思います。

>人生80年の時代、子供達も、もっとゆっくりさせてあげていいんじ
>ゃないかなと、思うのですけれどね。

 このような、いわば良識的な意見は、カウンセラーなどに、
私も言われたことがあります。
 しかし、失礼ながら私の経験では、これは間違っていると思います。


 上記の「retreat」では、「世間(学校)」との関係性は
基本的に保たれたままであると思われます。
 しかし、「引きこもる」というのは、「世間」との関係を
断ち切る作業なのです。もう一緒にやっていられないわけです。

 そして、一旦断ち切ってしまうと、そこから出てくるためには
初めから関係性を作り直さないといけない訳です。
 これは、そもそも「引きこもる」人間にとって、
ほとんど不可能に近い大困難事となってしまいます。


 したがって、たとえ学校に行けなくなっても、
とにかく個室に「引きこもる」ことだけは、なんとしても、
阻止するべきです。
 安易に「ちょっと部屋で休んでなさい」などと言っては駄目です。
 1日2日だけで切り上げることができれば、
風邪でもひいたふりで何とかなるでしょうが、
 1週間過ぎると危険で、1ヵ月も経ってしまえば
深い井戸の中に落ち込んでしまったように、
出るに出られない状態になると思います。
(小宮さん紹介の、日生学園のHPに結構ちゃんと書いてあるようです)

 とにかく学校に行けなくも、できれば家の外に
行くところ・行けるところがあるようにするべきです。
 このときに、近所のおじさんあたりが、
 「おまえ、こんな時間に何してる。学校は?」
などと言ったら致命的になるおそれがあります。
 「時間があるなら、ちょっとパソコンを教えてくれんか?」
なら、良いかも知れません。


 私の場合結局、全寮制の予備校にいきました、
生活のリズムには厳しいが、中身はかなりアバウト
なところがよかったと思っています。
 ちなみに、勉強の遅れはほとんど問題ではないと思います。
高校3年分を2年(1年半?)でやるような格好になりましたが、
以前のレベルを回復して大検そして東北大学に受かりました。
まああと一年あればどうだったかと思うこともありますが・・・

 「世間」の流れに対抗して「自分」を守ろうと
頑張っているうちに、「摩耗」してしまい流れの中に
いられなくなるというのが私のイメージです。
 しかし完全に出てしまうと乾燥して割れてしまう?
流れの緩いところに移せれば???


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