[BlueSky: 4702] Re:4701 BT 農薬の海中での影響


[From] "Masashi Yamaguchi" [Date] Mon, 2 Dec 2002 13:17:16 +0900

巌 さん、

BT農薬についてのご見解を示してくださり、ありがとうございます。

> 同じ昆虫類でも一部のものにしか効かないのですから、
> さらに遠縁になる海中の生物に有害であると考える根拠はありません。

もし、この筋書き通りで副作用が出ずに従来の農薬を代替するとなると
自然環境における環境負荷の面からみて大変よろしかろうと思います。

私がちょっと気にしたのは、蛋白毒にも色々あるでしょうし、その構造や
自然環境での安定性のデータが探しても見つからないので、まだ納得が
行かないのです。常識ではおっしゃるとおりでしょうが、極端な環境中でも
平気な微生物も見つかっているように、プロの常識外れでも実際に起こる
のが生命現象でしょう。

蛋白合成の遺伝情報は系統が異なる生物群でも使いまわしされるだろう
と考えられるし、生理活性のある構造が野外で生き残れば、多様な生物
の住んでいる海では何かのケミカルコミュニケーションに干渉する可能性
があることも否定しきれないでしょう。代謝経路などの毒性で生きるか死ぬ
かという話ばかりが表に出て論じられていますが、生態学では情報交換
経路をブロックするだけでも生き残りにかかわる重大な影響が出かねません。
特に海でのこの方面の研究が遅れています。

ついでに質問ですが、BT農薬の出荷量の数字は従来の化合物に較べて
桁違いに大きい数字になっていますが、これは有効成分の量を示して
いるのでしょうか。

山口正士
903-0213 沖縄県中頭郡西原町千原1
琉球大学理学部海洋自然科学科




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