[BlueSky: 4692] Re:4691 山と野外科学


[From] "Masashi Yamaguchi" [Date] Sat, 30 Nov 2002 06:47:16 +0900

> 自己家畜化、自己ペット化が進んでしまうと、意識的に出てゆくよ
うにしないと、既知と未知の「きわ」をうろうろする緊張感、鮮や
かさ、楽しさ(?)を体験する機会が失われ、dullになっていって
しまうように思われました。

葛貫さん、皆さん、はじめまして、

先日このMLに遭遇して加わったばかりですので、まず自己紹介から。

琉球大学理学部海洋自然科学科の山口正士です。陸の上とは無縁
に近かったのですが、最近海辺の様子に異常が感じられることから
陸から海に出てくる環境負荷の問題に目を向けなければならないと
考え、そのための勉強をやり直している所です。陸上で起こっている
ことが良く見えないので、色々教えていただければ幸いです。

さて、自己家畜化の問題ですが、面白い経験をしていますのでご紹介
します。

大学に入ったばかりの1年生を6名くらいずつ各教員にくっつけて、
大学の研究室の姿を直接見せるという「基礎ゼミ」が設定されて
いますが、私の所に来た新入生たちを海辺に連れ出し、貝堀りを
させました。それまで、だるそうに死んだような目をしていた学生が
数名混ざっていましたが(沖縄の自然にあこがれて来た学生は
目が死んでいませんが、高校の政策で押し込まれてきた不本意
入学者がかなり来ます)、貝を砂の中から見つけ出すと、まるで
死人が生き返ったように元気になり貝堀りに夢中になっていました。

この砂浜は沖縄ではユニークな地形のおかげで、遠浅であり
サーフィンが安全に出来ました。那覇などの都市部に近接した
場所にあって、大学から車で10分の便利な場所で私の研究対象
が棲息するもっとも便利な浜でしたが、数年前までに埋め立てが
完了しています。沖には人工ビーチが建設される予定と聞いて
いましたが、見に行きたいとも思いません。

さて本題ですが、海に流出しているだろうと思われる農薬、特に
除草剤(光合成阻害性のもの)について、とりあえず調べています。
都道府県別、年度別の出荷量は国立環境研のHPのデータベースで
見ることが出来ますが、これをもとにして河川や地下水を経由して
海に出てくる量の上限を予想しておきたいのです。シマジンを除き
水道の水質基準のモニタリングにはかけられていません。

シマジンの日本全体の出荷量が減少傾向を続けている理由は
それが水道水から検出される濃度が上昇しているためなのか、
なんらかの理由があるはずですが、これについてご存知の方は
いませんか。また、グリーンコープが水道水と水源水について
シマジンとアトラジンの濃度を調べて発表しています。これを見ると
ほとんど出荷されていない県でも検出されているのがあります。
不思議に思って海外情報を見ていると、イギリスでは鉄道線路
沿い、アメリカでは高速道路などの雑草除去に使われているよう
ですので、流出しやすい形で広範囲に除草剤が撒かれている
可能性が見えてきました。その日本での実態についてご存知の
かたはありませんか。出荷先の都道府県ごとの量を見ていて、
除草剤が東京や主要都市部に多いのが不思議ですが、これは
高速道路脇や鉄道沿線で使われるためと推理してもよいので
しょうか。

まだ色々とありますが、今回はとりあえずここまでにしておきます。


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