[BlueSky: 4689] Re:4688 山と野外科学


[From] Minato Nakazawa [Date] Thu, 28 Nov 2002 11:39:22 +0900

中澤です。ご無沙汰しています。

Y.kuzunuki さんは書きました:
>> その時速4キロの味わいの奥には、ネイチャーライティングに
>> つながっていくような感性の世界もあるし、生態学・地理学・民族学
>> みたいな野外科学の世界もひろがっているわけですよね。
去年買ったまま積んであった杉田聡「クルマを捨てて歩く!」
(講談社+α新書)を昨日読んで共感したのですが,
時速4キロの方が生き物としてのヒトには自然な移動速度
なので,世界が豊かに感じられるのももっともだと思います。
ぼくは,どこかに行った時に,クルマで移動するとまったく
地理が覚えられないので,時間があれば歩き回ることにして
います。数時間歩くことは良くあります。自分で歩いた場所は
不思議なほど忘れません。
# 杉田さんは帯畜大なんですね。このMLには帯畜大の方が
# 何人かいらしたと思うのですが,ご存知ですか?

>何かきかれても答えられず、自分で調べて、あとで教えて、という
>ことが、多くなってきているのですが、半ば遊びながら、感性の世
>界にも、科学の世界にも広がって行く可能性をひめた「土壌」のよ
>うなものを豊かにする手伝いができたら、素敵だなと思います。
すばらしい! と思いました。答えてしまったら
ふつう,そこでわかった気になってしまうので,
子どもの成長はそこで終わりですが,自分で調べれば
成長は無限の可能性がありますからね。
「あとで教えて」というのがまた素晴らしいですね。
これがなかなかできません。せっかく子どもが教えてくれても
つい突っ込みを入れてしまったり。

>教員になっていたら、こんな暢気ではいられなかっただろうなとも
>思います。おかあさんの役得かも(^^;。
本当は教員もその方がいいのではないでしょうか。
少なくとも,大学院の教員なら,答えを教えるよりも
調べ方のヒントを出すくらいの方が学生は伸びると
思います。
ぼく自身はついつい余計なことを言いすぎてしまって
学生に考える余地を与えないか,または混乱させるか
という,我ながらひどい教員なのですが。
# わかっていないのにわかった気にさせるよりはいいか?
# それとも,わかった気にさせるだけでもいいのか?

学校教育で「教える」形の授業がなされたり,一般にはこういう
ことだとされている,という形の答えを教員が言ってしまうのは,
効率の面から仕方ないからそうしているので,決して理想ではない
と思います。

もっとも,野外科学では教えられることなど限られているので
自分でやるしかない部分が多いのですが,人間が決めたことが多い
学問分野では,教えられることが多くなるように思いますから,
一概には何ともいえませんが。

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Minato Nakazawa <minato@ypu.jp> http://phi.ypu.jp/
Associate Professor for Public Health and Informatics,
School of Nursing, Yamaguchi-Prefectural University
Phone +81-83-933-1453 / FAX +81-83-933-1483


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