[BlueSky: 4680] Re:4679 日本の農業


[From] Sawaguchi Yuji [Date] Sun, 24 Nov 2002 09:10:18 +0900

澤口@一升金です。

Kaz. Yokoyamaさんの<20021123141957.2ffa02bc.20842@nifty.ne.jp>から
>今、日本の産業の高コスト性が問題になっている訳ですから、新規投入コストゼロで、
>喜びや無農薬のお米の収穫でベネフィットが正であれば、収益率正の無限大と言うこと
>です。私などは、旧来の商業主義には合わなくても、新たなビジネスの可能性を示唆し
>ている様に感じます。澤口さんならもう始めてると思いますが。
始めたばっかりですから、まだ評価できるほどのものはありません。
稲作も畜産も林業も国なり県・市町村の主導で補助金やその他の体制が
大枠で決まるわけですが、肝心なこと、「どこの出口に向かってわれわ
れは進んでいるのか」については何も示唆するものがないことも事実で
す。
大規模化や機械化を進めていけば、中国やアメリカその他との農産コス
トに対抗できる日が来るのか、ということです。
グローバルシェア獲得のストーリーが無い以上、経済優位の議論がリア
リティを持つものとはならないでしょう。
中国が経済爆発や人口爆発を起こして国際的な食糧危機でも起これば別
ですが。

>その場合、農作業は労働コストではなく、農業出来る喜びとして利益に計上されるかも
>知れませんね。
労働者はいつの時代も労働の切り売りで生計を立てるわけですが、現代
のようにフラグシップがどこにいるかわからない状況ですと、よほど高
度な専門性をもっていないと、それ単独で社会にニッチをつくることは
難しいと思います。
専門性に自信がなければ、個人における総力戦とリスクヘッジが必要で
す。
通常の会社などにおきましても不採算部門はアウトソーシング、採算部
門は独立法人化してより広範な展開を狙うというのは常識ですし、これ
を個人レベルでやっても悪いことはないでしょう。
もちろん、個人の場合は採算・不採算は金融経済のそれとイコールでは
なく、環境経済として採算を考えることになるわけですが。

>水田の例は大いに参考になりそうです。つまり、試されるのは、如何に無駄なコストを
>掛けず、無から正の価値を見いだして行くか、新しい「価値」を提示できるかと言う人
>間の智恵です。
外部経済で考えても、集団化・大規模化は特定の専門労働者を前提とし
ているので、地域内で可能な労働力を広範に吸収する機能はありません。
高齢者は高齢者として、若年者は若年者として経営・労働に参加できる
枠組みがなければ、それは農業文化ではないと思います。
また、システム化が進みすぎると教育の再生産もできないことも確かなこ
とです。
参加者が自律思考できないシステムはいずれ破綻すると思います。

破綻の例(補助金集めだけで、技術開拓も販路開拓もしていなかった)

http://www.iwate-np.co.jp/news/y2002/m07/d27/NippoNews_8.html


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