[BlueSky: 4679] Re:4674 日本の農業


[From] "Kaz. Yokoyama" [Date] Sat, 23 Nov 2002 14:19:57 +0900

みなさんお久しぶりです。横山です。

> 「商業主義的な農業」に対する「商業主義的でない農業ってこうなのかな?」という
> 発想の一例ですから、収益性を問われても困ります。

はたしてそうでしょうか?
今、日本の産業の高コスト性が問題になっている訳ですから、新規投入コストゼロで、
喜びや無農薬のお米の収穫でベネフィットが正であれば、収益率正の無限大と言うこと
です。私などは、旧来の商業主義には合わなくても、新たなビジネスの可能性を示唆し
ている様に感じます。澤口さんならもう始めてると思いますが。

> わたしのNPOでは、単に「農業をする・しない」という二元論ではなく、も
> っと多様な関わり方がっていいんじゃないか、という方針でやっています。
> 例えば、企画や経営計画は農家が自分だけでやるより第三者が入った方が客観
> 性が出て好ましいですし、兼業農家などは現に週一・週二でやっているわけで
> すから、土・日参加でも有用な作業はできますしね。

私は日本農業の再生の鍵はこの辺にあると感じています。基礎的なインフラが揃ってい
れば米作りは他の産業と共存可能だと思います。澤口さんや、北海道の私の周りに多く
いる知的産業出身の農家は、今でも十分農繁期と農閑期、明るい時間と暗くなってから
、全く違う労働に従事し、非常に豊かな生活を送っています。
その場合、農作業は労働コストではなく、農業出来る喜びとして利益に計上されるかも
知れませんね。

> やはり、現場に即した情報体系って大事ですね。

何れにしても、ここ10−20年の間に農業の人口構造は大転換します。その時こそ、
農業の産業構造も大変革のチャンスです。おそらく多くは選手交代を余儀なくされるで
しょう。日本の国内のみ、今だけ、自分たちの周りだけしか見えない人は退場して行く
でしょう。そのための制度が準備されているからです。ただ、これを聞いて「農家は大
変ね」と思う必要はありません。他の大方の産業も同じだからです。高コストで収益率
の低い「もの」や「人」、そして「組織」も退場して行きます。この時に、澤口さんの
水田の例は大いに参考になりそうです。つまり、試されるのは、如何に無駄なコストを
掛けず、無から正の価値を見いだして行くか、新しい「価値」を提示できるかと言う人
間の智恵です。

先日、我々が開発したシステムで農家自らが現場で蓄積した生産履歴を付与した農産物
を東京の生協で試験販売するために伺った世田谷の等々力不動でのことです。
そこに何気なく「知は知識、それ自体働きを持たない、智は知識を駆使して進むべき道
を見定め、行動を起こす」と言う意味の言葉が掛けられていました。

これから大切なのは、積極果敢な「智恵」と言うことになるのでしょうね。


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