[BlueSky: 4674] Re:4670 日本の農業


[From] Sawaguchi Yuji [Date] Thu, 21 Nov 2002 07:56:57 +0900

澤口@一升金です。

Fumihiro NEMOTOさんの<5.0.2.7.2.20021120153815.00e19710@pop.hs.dion.ne.jp>から
>これは、農業を産業とは考えていない、家庭菜園的な発想でしょうか?
>反収を期待しない・・という場合、その農家は経営、収益の糧をなにに求めたらいい
>のでしょうか?
「商業主義的な農業」に対する「商業主義的でない農業ってこうなのかな?」という
発想の一例ですから、収益性を問われても困ります。

>ところで、今の米の値段をご存じでしょうか?
うちは米作+畜産+野菜+林業+電子機器開発+NPO複合経営です。(NPOは
営利事業ではないか)
たいがいの農産物の値段は、わかります。

>様々な努力が必要で、労働力を経費に入れたら赤字でしょう。
労働力を経費に入れたら、さきほど家庭菜園と揶揄された、「何にもせん」方式は
あながち現実味が無いとも言えないのでは?

>反収を期待しないで、これまでどおりの生活を農家が(農業収益だけで)行えるとし
>たら、米の値段は、今の2倍から3倍になるでしょう。
何だか微妙に議論がずれていますが。
農業・農家の保全=農薬使用(ま、農薬はこの際あまり関係ないわけですが)
による反収増加が第一、ということでしょうか?
それはそれで有用な視点だと思いますが、根本さんご自身の農家振興ストーリ
ーは奈辺におありでしょうか。

>が、実際の農業生産現場はとなると、どうしたら、今の若者に魅力あるものになるか?
別に若者一般に魅力あるものである必要はないのですが、入り口をきちんと作
り込んで、指導体系や地域体系の情報発信はまず基礎インフラとして必要だと
思います。

わたしのNPOでは、単に「農業をする・しない」という二元論ではなく、も
っと多様な関わり方がっていいんじゃないか、という方針でやっています。
例えば、企画や経営計画は農家が自分だけでやるより第三者が入った方が客観
性が出て好ましいですし、兼業農家などは現に週一・週二でやっているわけで
すから、土・日参加でも有用な作業はできますしね。
わたしあたりでも7つや8つくらいの農事組合に関わっていますし、さらに
青色申告だの補助金だの新しい資材だ農薬だ肥料だ新品種だとやっているといく
ら時間があっても足りません。直売所にも出しているので売れ行きとか市場調査
新商品企画もしなきゃなりませんしね。
知的興味で情報まわりをフォローしてもらうだけでも有効な農業参加となるでし
ょう。
で、この手の情報は地域全体の基礎力の底上げになります。

根本さんは例えば農薬のことでも自分で研究なさっているところだけ知っていれ
ば仕事になるでしょうが、現場では試験場の情報はもちろん、農協からも農業資
材屋からも売り込みがあって、情報が錯綜しています。
第一、試験場は情報を一方的に出すだけで、農家に対して何か責任をとるわけで
は無いでしょう(別に責めているわけではなくて、どの程度の確信で農薬などを
勧めているのかがわかりにくい、ということ)
やはり、現場に即した情報体系って大事ですね。


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