[BlueSky: 4495] Re:4494 既存事業への愛着についての喩え話


[From] "Kikuhiko.Mizusaki" [Date] Tue, 30 Jul 2002 08:41:19 +0900

水崎@岐阜です。

> と指摘されているように,作ると儲かる人たち。たぶんそういう人も
> いるでしょう。その人たちは公共事業を私物化しているわけで論外です。

土木事業を生業としている技術者として、ひと言です。
公共事業を私物化しているのではなくて、土木事業はそのほとんどが公共事業しかあ
りません。
すなわち公共事業が無いと生活できない、、、
このあり方が、論外だと言われればそれまでですが、、、

税金の使われ方を、云々するのであれば、
正当な税金の配分が出来ない官僚組織の方が問題だと思います。
土木工事に於いて、ゼネコンを必要としているのは、施工者ではなくて官僚です。
官僚組織の中には、技術がありません。
従って、工事を総合的に監督できるゼネコンに丸投げするのです。
ゼネコンは、専門的な高度な狭い技術を擁している会社に、
利益をピンハネして、仕事を分離発注しています。
このときに、専門業者が技術に対し正当な利益を得ているか、管理しているところは
ありません。
従って、緑化などは、事業の基本理念を具現するための仕事をする事が
非常に難しいのが実際です。
また設計時点で専門技術者に対し、技術的に問い合わせがある事は非常に少ないた
め、

例えばもう少し勾配を緩くすれば、容易に元の森林が復元できるのに、、、
と歯がみする事も少なくありません。
実際に70度の傾斜に対し、植物を生やして、
それが永続するなんて、誰が思っているのでしょうか??
愚痴になりました。済みません。

役所が専門業者に対し、分離発注をすれば、
極端な話し工事金額は、7割程度には圧縮できます。
計画段階で、専門業者の意見を聞いて頂ければ、
もっと他の解決方法を示す事も出来るはずです。

> 第二は,未熟だろうがなんだろうが,技術を使って事業を実現すること
> を生業とし,そのことに生きがいを感じている人たち。この人たちには
> たぶん,悪意はありません。本来的には,もっと技術を成熟させるべき
> だと思いますし,彼ら自身のもつ視野の外からの批判には謙虚である
> べきで,どうしても事業を実現したければ彼らこそが説明責任を果たさねば
> ならないと思うんですが,

工事を請け負った施行業者が、説明するべきは発注者である行政に対してです。
また行政組織は、住民など事業により影響を受ける事が想定される人々に
説明義務を有しています。

問題なのは、住民もしくは住民の代表が、総意を表していない事。
そして、いったん決議された事を、再度問題として捉える事が難しい事だと思いま
す。

例えば、議会議員のどれほどが、本来の住民の総意を代表しているのでしょうか??
長野県の脱ダム宣言に於いても、議会と首長の意見が対立しましたが、
どちらがより住民の総意を表していましたか?
さらに、代替案を技術的に見当しているにもかかわらず、
これまで投資した事に引きずられている官僚組織と議会のあり方が
問題なのではないでしょうか?




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