[BlueSky: 4463] Re:4462 農業の新しいかたち


[From] "ICHINOSE,Takeshi" [Date] Mon, 08 Jul 2002 00:19:03 +0900

一ノ瀬です。

 やや横道に話を継いでしまいますが、、、、

邑瀬さん#4462<
 基準値以下の残留農薬にまで「不安」を抱くのは、作物に元々含まれる天然物
質によるリスクなどを考えれば、それは「心配ご無用」だと言えるでしょう。
 もちろん、農薬は可能な限り使わないに超したことはないというのは言うまで
もありません。

 本当に全く農薬を使わずに大量生産が可能であるならばそれに越したことはあ
りませんが、どうなのでしょうか? 完全な無農薬での生産は、殆ど不可能なの
ではないでしょうか?(少なくとも、家庭菜園で無農薬にトライした私の友人
は、”常識的な手間では不可能”との結論に達して、以後、農薬のかかった野菜を
作って食べています。)

 一方で、減農薬なら良いかというと、単純にそうは言い切れないようです。
「農薬のページ」に、”良い減農薬,悪い減農薬,普通の減農薬”という話が出て
います。
http://members.tripod.co.jp/gregarina/O2NI.html#01
 
 このページの作者は、農薬を作る側の人ですから、その面では割り引いて読む
必要もあるかとは思いますが、それでも、次の指摘は真剣に受け止めるべきだと
思います;

 DDTはかつて理想の殺虫剤であった。どんな虫にも効き,しかも長期間残効が
あった。しかし,30年ほど前から理想の殺虫剤のイメージは変わった。現在は,
害虫以外の虫はできるだけ殺さず,自然界では比較的速やかに分解する殺虫剤が
理想とされている。環境に対する影響を重視するためである。最近,これに逆行
しDDTのようなどんな虫にも効き,しかも環境中に長期間残る殺虫剤を理想と考
える風潮が瀰漫しつつある。その風潮とは「減農薬栽培」である。

 問題は,減農薬の「減」とは何を減らすのかという点にある。減農薬を謳って
商売をするためには,わかりやすい「スペック」でこれを表現しなければならな
い。最もわかりやすいラベルは「1種類の農薬を1回だけ使いました」だろう。つ
まり,農薬の種類と散布回数を減らすのが素人にはもっともわかりやすい。

 散布回数を減らすなら,できるだけ環境中で分解しにくい農薬を一度に大量に
使えばよい。しかも,散布する農薬の数も減らさねばならないから,その殺虫剤
にとって最も不得意な虫にも効くようにまかなければならなくなり,散布量はさ
らに増える。このように,何にでも効き生態系に悪影響をもたらしやすい殺虫剤
を大量に散布することを「悪い減農薬」という。この「悪い減農薬」の風潮は水
稲の初期初中期一発処理剤にも現れている。

 こう考えると、我々が問題にすべきは、作物と土壌中への農薬の残留濃度で、
それがきっちりと管理され公開されている作物が、本当の意味での”安心”な農作
物と言うことになるのではないでしょうか?




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