[BlueSky: 4451] 初めての投稿。


[From] "江澤 誠" [Date] Mon, 1 Jul 2002 00:35:16 +0900

江澤と申します。もう1年くらいになりましょうか、本MLを興味深く読ませていただ
いております。といっても、時間の制約で、全部読むことはできず、これはと思う意
見に出会ったら、遡ってそれに関する意見をまとめて読むような仕方をしています。

投稿していったん意見を述べた場合、それに関して寄せられた意見には反応しなけれ
ばならず、現在の私の時間的余裕では、その義務に応えられないことが、いわゆる
ROMであった理由です。

さて、「懐疑的な環境保護論者」ということが先日来テーマになっており、薬師院仁
志著『地球温暖化論への挑戦』(八千代出版)という著作も登場しております。この
ことが、今回の投稿の直接のきっかけになったのですが、私の環境問題、なかんずく
地球温暖化防止に関する考え方のある部分は、薬師院氏の考えに重ね合わせることが
できます。実際、『地球温暖化論への挑戦』のなかで、氏が引用している箇所のうち
「懐疑的」な立場の著作からのものには、拙著『欲望する環境市場−地球温暖化防止
条約では地球は救えない』(新評論、2000)からの何箇所かも含まれていることから
も、ご理解いただけるものと思います。

現在の環境NGOの運動、とりわけ地球温暖化に関する運動は、「盲目的」に過ぎま
す。近年地球環境が温暖化していることは事実のようですが、その原因が二酸化炭素
などの温室効果ガスにあると断定されたわけではありません。IPCCはいわば、官製の
組織です。日頃、総理大臣の諮問機関などの官製の組織を、事実追認の隠れ蓑と非難
することが少なからずある(環境)NGOが、IPCCが同様の組織形態であるにもかかわ
らず、また、科学的に証明されたわけでもないのに、絶対的ともいえる信頼性をおい
ているのはなぜなのでしょうか。地球の温暖化の原因は、CO2の増加ではないという
意見も多々あるというのにです。

私の考えを端的にいうと次のようになります。
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地球は、長いスパンでは寒冷化の方向にあり、昨今の温暖化は、一時のゆり戻しであ
る。一時ではあっても、その難渋に向き合う者のことを考えれば温暖化防止の対策は
とるべきである。その対策の方法は、基本的には多様であってよいが、京都議定書は
欠陥と作為が多く(例えば、排出枠取引)、積極的には賛成できない。(温暖化の原
因とその期間はいまのところ断定はできない。)
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温暖化の原因を断定できないでいて、防止策はとるべき、とは矛盾している、といわ
れるかもしれませんが、CO2が今問題になっている地球の温暖化の原因と断定できな
いとしても、CO2そのものに温暖化の作用があることはわかっています。化石燃料な
どの使用を削減し、エネルギーの節約に努めることは勧められていいことです。

CO2などの温室効果ガスが目下の地球の温暖化の原因かどうかははっきりしないとい
うことを、十分理解し、また、理解してもらったうえで、地球温暖化をやわらげる運
動をし、また、他者に働きかけてもらいたいと考えます。

昨今のマスメディア等の情報の洪水のなかで、今後誕生する子供たちは、CO2が原因
で地球が永久的に温暖化していく、という誤った情報のなかで育っていくことになり
ます。そういった「劣悪な情報環境」のなかに未来世代を投げ込まないことも求めら
れています。

今回初めて投稿したのは、日ごろ思っていることが話題になっていて、また、拙著を
読んでいただければ、おおよそ考えはわかってもらえるという背景があってのことで
す。


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江澤 誠 (えざわまこと)

ezawa@mvf.biglobe.ne.jp

http://www5d.biglobe.ne.jp/~ezawa/


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