[BlueSky: 4452] Re:4451 初めての投稿。


[From] "suka" [Date] Mon, 1 Jul 2002 01:44:15 +0900

江澤さん みなさん

   須賀です

江澤さん、はじめまして。
たいへん興味ぶかくよませていただきました。
まだご本を拝読していないので、感想をいうのは失礼に
あたるかもしれませんが、いろいろなことを感じました。

僕自身は、地球温暖化防止運動にとりわけ熱心なわけ
ではありません。そして一般論として、ものごとをあまり
やすやすと信じるよりはクールな判断の目を一方でもつ
ことも大事だと思っています。けれども、環境問題について
は、単に「懐疑的」であるだけでは十分でないとも感じて
います。

江澤さん:
> 現在の環境NGOの運動、とりわけ地球温暖化に関する運動は、
> 「盲目的」に過ぎます。

単に知らないだけなのかもしれませんが、ここがよくわかり
ませんでした。具体的にどういう運動をさして「盲目的」と
おっしゃっているのでしょうか? 無知なせいだと思いますが、
イメージがわかないのです。

江澤さん:
> 近年地球環境が温暖化していることは事実のようですが、その
> 原因が二酸化炭素 などの温室効果ガスにあると断定された
> わけではありません。

おそらくそうだろうと思います。でも多くの地球温暖化防止運動は
そのことをわかっているのだろうとなんとなく僕は思っていました。
わからないけれども、わからないからといってそのままにして
おいたのでは、もしそれが真の原因だったときにとりかえしの
つかないことになるから、安全策をとって対策をとっておこうと
いう考え方なのではないかと思っていたわけです。ちがうので
しょうか?

江澤さん:
> IPCCはいわば、官製の組織です。日頃、総理大臣の諮問機関
> などの官製の組織を、事実追認の隠れ蓑と非難することが少な
> からずある(環境)NGOが、IPCCが同様の組織形態であるにも
> かかわらず、また、科学的に証明されたわけでもないのに、絶対
> 的ともいえる信頼性をおいているのはなぜなのでしょうか。

僕は、官製の組織であるというだけでまちがったことをいうとは
かぎらないと思っています。もちろんまちがったことをいう危険性
も、官製でない組織とおなじようにあると思います。

ところで、わからないのは、環境NGOは本当に、IPCCに対して
絶対的といえる信頼をおいているのか? ということです。僕は
環境NGOに対してそのようなイメージをもったことがなかったの
で、かなり驚きました。単に知らないだけである可能性が高い
と思いますので、具体的な根拠などをご存知でしたらご教示いた
だければさいわいです。

江澤さん:
> 私の考えを端的にいうと次のようになります。
> ---------------------------------------------------
> 地球は、長いスパンでは寒冷化の方向にあり、昨今の温暖化は、
> 一時のゆり戻しである。一時ではあっても、その難渋に向き合う
> 者のことを考えれば温暖化防止の対策はとるべきである。その
> 対策の方法は、基本的には多様であってよいが、京都議定書は
> 欠陥と作為が多く(例えば、排出枠取引)、積極的には賛成できな
> い。(温暖化の原因とその期間はいまのところ断定はできない。)
> -------------------------------------------------------

僕は野生生物の保護に関係した仕事をしているので、第四紀の
気候変動や、それがこれからどうなっていくのかということに
ついて、たいへん興味があります。これは、なんといったらいいのか、
環境問題への関心という以上に、科学的な予測への好奇心にちかい
ものだと感じています。

それでしばらくまえから気になっているのですが、地球が長いスパンで
寒冷化の方向にあるというのは本当なのでしょうか? 僕は最終氷期
以降の過去1万年が第四紀のなかで例外的に暖かい時期だという
ことはわかっているつもりです。でも、よく考えてみれば、第四紀だとか
間氷期という時代区分そのものが、過去の気候変動のパターンを
人為的に区分けしたものにすぎないのではないでしょうか。これから
地質学的な時間のスケールで長期間にわたって第三紀の温暖な時期
に相当するような温暖な時期がつづくというようなことは(たとえばの
話ですが)考えられないことなのでしょうか。

江澤さん:
> CO2などの温室効果ガスが目下の地球の温暖化の原因かどうかは
> はっきりしないということを、十分理解し、また、理解してもらったうえで、
> 地球温暖化をやわらげる運動をし、また、他者に働きかけてもらいたい
> と考えます。

これはわかるような気がします。わからないのは、このことを危惧しな
ければいけない状況が本当にあるのか、ということです。単に経験不足
なのだろうと思いますが、僕自身はそういう危惧の念をいだかずには
いわれないような状況に出くわしたことがありません。

江澤さん:
> 昨今のマスメディア等の情報の洪水のなかで、今後誕生する子供たちは、
> CO2が原因で地球が永久的に温暖化していく、という誤った情報のなか
> で育っていくことになります。

これも、本当にそうなのかなあ、というのが僕の素朴な疑問です。
僕自身がマスメディアの情報にそういうことを感じたことがないのは、
あらかじめ内容を割引してみたりよんだりするくせがつきすぎている
せいかもしれません。具体的にどういう状況でそういう危惧をもたれ
ますか?

どうも、「懐疑」に対して、それは本当に意味ある「懐疑」なのか?
と疑問をなげかけているような内容で恐縮です。ちょっとクール
すぎるかもしれませんね。でもこれが僕の素直な感じ方です。

いかがでしょうか。

みなさんはどう思われますか?

   須賀





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