[BlueSky: 4291] Re:4270 プラシーボ効果


[From] Abe Yasushi(阿部靖志) [Date] Wed, 29 May 2002 20:47:26 -0400

阿部@イジャペルです。

at [BlueSky: 4278] Re:4270 プラシーボ効果 邑瀬 さん
> >  現代医学では治せない病(老いや小さな不幸だってそうです)に
> > 対して、『これなら治せる』と宣伝する『トンデモ』を否定するの
> > も、やはり許容できませんか?。その『トンデモ』で救われた人々
> > から、救いを奪い去ってしまいますか?。私には、そのような行為
> > こそ、許容すべきではないと思えます。

 自分の文章ですが、論理的におかしな文でした(引用部2行目と
3行目の間に下記の1行が入ります)。

> > は、心だけでも救われていた人を絶望に叩き込む事ですが、それで

私が言いたかった通りに読んで頂き、感謝です(^^)。


> 実際に難病の人を前にするととてもこちらからは言えないです。それが人情と
> いうものですね。
>
> しかし一方で、近頃は宣伝の方がだんだんエスカレートしてきて、まさに「言
> った者勝ち」と言ってもよいような感があります。また、症状がよくなるどこ
> ろかかえって悪くなる例も少なからずあるのも事実です。人体に関わるものは
> 「救われた人」の数ではなくて、「悪化した人の数」の方が重視されます。ど
> んな特効薬でも、重篤な副作用があれば使用禁止になることすらあるのです。
> (もちろん阿部さんは「試しても当たり障りのない成分の物」のことを言って
> おられるのだと承知の上でつけ加えています。)

 フォローありがとうございます。特に害を及ぼさぬ『トンデモ』
は有っても良いとは思いますが、逆効果を出してしまうような『ト
ンデモ』は、私も葬り去りたい気がします(その辺は言及していな
かった…)。

 効果が有る、と言って売ったモノに効果が無かったら、社会的制
裁を受けるしかないでしょうね。それが売る自由に対する責任です。
もっとも、効果が有る、と信じて買ったのに効果がなかったら、文
句を言うのも買う自由に対する責任だとは思いますが。

 漢方などでは健康な人を対象の病気にしてしまう『毒』を少量だ
け与え、その病気に対する体の拒否反応を引出して完治に至らせる、
という話を聞いたことがあります。そのような場合、確実に一度は
症状が悪化しますよね。そういう場合、その後で治るのに、「悪化
した人の数」の方が重視されて使用禁止になっちゃったらイヤです
ねぇ(取り留めなくってスミマセン)。


> 何でもそうですが、自由が過ぎるとどこかで歯止めが必要になって、何らかの
> 規制がかかることになり、結局自分で自分の首をしめることになるのですが、
> 健康グッズで言えば今はその途上にあるという印象です。良い物までもなくな
> らないためにも何らかの「お墨付き」は必要になってくるでしょうね。

 で、葛貫さんの[4252]に至る、と(^^)。


> 私自身も難治性疾患で何回か入院したことがありますが、やはり中にはそうい
> うものを信じている方がおられました。私の印象では完全に信じている人はわ
> ずかで、ほかの多数は半信半疑で試しているといった感じでした。相部屋にな
> ると当然自己紹介をしたりして、私が薬学をしていたことがわかると、ほぼ確
> 実に「これ試しているけど、実際はどうなんだ?」というような質問を先方か
> らされます。ほどんどの人はもっと深く知りたがっているのですね。明らかに
> かえって悪そうなものの場合以外は、「特に悪いものではありませんし、お値
> 段が高いとお感じでなければ続けられたらいかがですか。」と答えています。
> それ以上は言えないというのが正直なところです。

 プラシーボ効果を利用できなかったであろう邑瀬さんや他の患者
さん達と、わずかに居た完全に信じていた患者さん達とで、どちら
が幸福だったのか、ちょっと気になります(比べられるモノでは無
いとも思いますが)。

 『アルジャーノンに花束を』じゃないですが、知識が豊富で賢い
人は無知で愚かな人より不幸なのかもしれません(キリスト教の創
世記で、善悪を知る木の実を食べて人間の不幸が始まった、という
辺りを思い出しました)。

 今は健康でも不治の病になった時に備えて無知で居るべきか、智
慧を蓄えるべきか…。私は不幸になる事を知りつつも後者を選びま
す。中途半端でなければ、知恵は幸福をももたらしてくれる筈です
から(だからと言って、そういう私の選択を他人に押しつけたくは
ありませんし、他人の選択を押しつけられるのもイヤですが)。


> 「騙されていた期間、彼らはその恩恵を受けていた」とはなるほど面白いです
> ね(^^)。環境に関して言えば、プラシーボ効果という定義すらないわけで、こ
> れはまた別物になりますね。

 プラシーボ効果は個人に働きかけるだけなので、環境問題には適
用しようがないですねぇ。もっとも、何かを信じて(『何かに騙さ
れて』を含む)幸福になりつつ環境問題解決に近づく行動を取る、
ということは有るかもしれません。

 皆にそういう魔法を掛けるには、マスコミや政治を利用しなきゃ
ダメなんでしょうねぇ。あ、環境文学と言う手もありか(^^)。


それではまた。 阿部 靖志


▲前の記事へ ▼次の記事へ △記事索引へ △青空MLトップへ

(注)この記事が最新である場合,上記「次の記事へ」はデッドリンクです。